大成建設、環境配慮コンクリート2種で材料性能証明取得、プレキャスト適用拡大へと発表

大成建設株式会社(社長:相川善郎氏)は2026年1月22日、環境に配慮した独自のコンクリート製品が、日本建築総合試験所による建設材料技術性能証明を取得したと発表しました。今回証明を得たのは、同社が開発を進めてきた「T-eConcrete」シリーズのうち2つの製品です。

取得した性能証明の詳細

性能証明を取得したのは「T-eConcrete/Carbon-Recycle」と「T-eConcrete/セメント・ゼロ型」の2製品で、GBRC材料証明第25-02号として認定されています。

前者は、製鉄所などで生成される高炉スラグ微粉末に加え、工場が排出する二酸化炭素を活用して作られる炭酸カルシウムを使用することで、二酸化炭素の排出量収支をマイナスにできる点が特徴です。後者は、セメントを一切使わない配合により、製造時の二酸化炭素排出を大きく抑えられる製品となっています。

T-eConcreteシリーズとは

「T-eConcrete」は、大成建設が展開する環境配慮型コンクリートの製品群の名称です。産業活動で発生する副産物を有効に使うことでセメントの使用量を減らし、通常のコンクリートと同じ強度や施工のしやすさを保ちながら、製造段階での二酸化炭素排出量を削減できます。

■Carbon-Recycle型の仕組み

「T-eConcrete/Carbon-Recycle」では、工場から出る二酸化炭素を原料として炭酸カルシウムを製造し、それをコンクリートに混ぜ込みます。この方法により、二酸化炭素をコンクリートの内部に閉じ込めることができ、結果として二酸化炭素の排出量が吸収量を下回る状態を実現しています。

■セメント・ゼロ型の特徴

一方の「T-eConcrete/セメント・ゼロ型」は、従来セメントが担っていた役割を高炉スラグで代替することで、セメント製造時に発生する大量の二酸化炭素排出を回避します。これにより、大幅な環境負荷の低減が可能になります。

新材料適用における課題

これらの製品は、建築基準法で定められている指定建築材料などには該当しない「新材料」に分類されます。そのため、建築基準法が適用される建物向けのプレキャスト製品として新規に採用する場合、さまざまな手続きが必要でした。

具体的には、材料としての性能や構造上の性能、火災時の耐火性能などに関する技術的な資料の整備、過去の使用実績の収集に加え、プレキャスト製品を作る工場での製造方法や品質をどう管理するかの策定、さらには発注者への性能に関する説明など、多くの検討作業に時間と手間がかかるという問題がありました。

性能証明取得の意義

大成建設は、これまで積み重ねてきた実績や研究で得られた成果をもとに、材料性能についての技術資料を体系的にまとめ上げ、今回の建設材料技術性能証明の取得に至りました。

この証明取得によって、次のような効果が見込まれています。

まず、適用手続きの円滑化と工期の短縮です。性能証明に基づいた技術資料や、工場での製造・品質管理のマニュアルを活用できるようになったことで、発注者に対する技術的な説明がより明確になります。また、製造や品質管理の方法を定める作業も迅速に進められるようになり、プレキャスト製品として実際に使われるまでの期間短縮が期待できます。

脱炭素化の推進

次に、脱炭素の普及が促進されます。T-eConcrete/Carbon-Recycleは、工場が排出する二酸化炭素を炭酸カルシウムという資源に変えることで、二酸化炭素の排出量収支をマイナスにすることに貢献します。

T-eConcrete/セメント・ゼロ型は、セメントに由来する二酸化炭素の排出を避けることで、大幅な削減を可能にします。両方の技術が性能証明を得たことにより、建設分野のプレキャスト製品としてより広い範囲で使えるようになり、脱炭素社会に向けた動きを加速させることができます。

資源の有効活用

さらに、資源循環の推進にもつながります。産業活動で生じる副産物を活用し、二酸化炭素を建材として利用することで、資源を循環させる経済の仕組みを具体的な形にできます。建設材料のライフサイクル全体で環境への負担を軽くすることに貢献します。

今後の展開

今後、大成建設は材料性能や品質管理に関するデータを継続的に蓄積し、技術の信頼性をさらに高めていく方針です。また、構造性能や耐火性能などについても検証を進めながら、建築分野でのプレキャスト製品への適用範囲を拡大していきます。

環境配慮コンクリート「T-eConcrete」の普及を進めることを通じて、脱炭素社会の実現に寄与していくとしています。

出典情報

大成建設株式会社リリース,環境配慮コンクリート「T-eConcrete®/Carbon-Recycle」と「T-eConcrete®/セメント・ゼロ型」で建設材料技術性能証明を取得-プレキャスト製品への適用を円滑化し、脱炭素と資源循環の社会実装を加速-,https://www.taisei.co.jp/about_us/wn/2026/260122_10905.html