竹中工務店、AI・IoT活用の生物自動モニタリング「いきものアイ」産業展で展示予定

竹中工務店(社長:佐々木正人)が、北海道大学農学研究院の山田浩之研究室と協力して、生物自動モニタリングシステム「いきものアイ」を開発しました。人工知能とインターネット接続機器を組み合わせた自動監視システムで、2026年1月28日から30日まで東京ビッグサイトで開催される「グリーンインフラ産業展2026」で実機が展示されます。

このシステムは、水場に集まる生きもの(主に鳥類)の習性を活用しています。水盤とカメラを設置し、一年中休むことなく撮影を続けます。撮影された映像は人工知能による画像解析で処理され、鳥の種類を自動的に判別して記録します。

従来の観察方法との違い

これまでの生物調査は、専門家が現地で目視確認する方法が一般的でした。しかし年間でわずか数日間しか観察できず、調査日に目的の生物が現れるとは限りません。また専門家を雇う費用も高額です。

「いきものアイ」なら一年中いつでも観察が可能です。人が現地に行かなくても自動的に記録が残り続けるため、季節ごとの変化や珍しい生物の出現も見逃しません。精度の高い種類識別と継続的な監視により、通年の生態データを集められるようになりました。

企業が求められる環境への配慮

最近では企業活動が自然環境に与える影響を明らかにすることが重視されています。TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)という国際的な枠組みが広まり、企業は事業が生物多様性に及ぼす影響を評価し公表することが求められています。

このような背景から、企業所有地での自然保護の取り組み効果を示す必要性が高まっています。自然共生サイトやTSUNAG、ABINCといった緑地認証を取得する企業や組織が増えており、認証の取得・維持には継続的な生物モニタリングが欠かせません。

システムの主な機能

このシステムには優れた特徴があります。設置した緑地に来る鳥類を24時間365日自動で撮影し続けるなど。人工知能による画像処理技術とインターネット接続機器を組み合わせ、高精度の自動識別を実現しています。

水を飲みに来る生物を感知すると、リアルタイムで動画配信します。観察記録は各生物種の生態情報と一緒に表示されるため、環境学習の教材としても活用できます。現時点で42種類の鳥類を分類でき、2026年中には鳥類60種類、哺乳類15種類まで対応を広げる予定です。

従来手法との比較

専門家による観察は年に数日程度の観察期間で、データ量は限定され、証拠も残しにくいものでした。一方「いきものアイ」は通年24時間観察でき、多くのデータを集積し、確実に記録が残ります。

実証実験の成果

兵庫県川西市の竹中工務店清和台研修所では48種類の鳥類を確認しました。この数字には撮影画像を目視確認して分類したものも含まれています。

東京都千代田区の大手町ホトリア広場では14種類の鳥類を確認しました。この実験は一般社団法人大丸有環境共生型まちづくり推進協会(エコッツェリア協会)との共同で実施されました。都市部でもこれだけの種類が観察されたことは、都市における生物多様性の豊かさを示しています。

認証取得への貢献

緑地認証申請には、その土地を利用する生物データが証拠として必要です。「いきものアイ」はこうしたデータを自動蓄積するため、認証取得・維持を強力に支援します。

ネイチャーポジティブや自然共生への関心が高まる中、企業は自然環境への依存・影響・リスクの開示が求められています。このシステムは企業が環境保全の取り組みを数値やデータで示すことを可能にします。

今後の展開

竹中工務店は、自然環境に関連する技術や解決策を通じて、顧客企業のネイチャーポジティブな経営と企業価値向上を支援していきます。

生物多様性保全は今後ますます重要なテーマです。「いきものアイ」のような技術により、企業は効率的に環境データを収集し、自然との調和を図りながら事業活動を続けられます。一年を通した記録で、渡り鳥の飛来時期や繁殖期の行動、冬季の生息状況など包括的な生態情報を得られます。

記録された映像や画像は、社員教育や地域住民への環境啓発活動にも活用できます。実際に敷地内にどのような生物が生息しているかを視覚的に示すことで、環境保全の重要性を実感してもらいやすくなります。企業は自然環境への配慮を実践しながら、その成果を明確に示すことができます。

出典情報

株式会社竹中工務店リリース,AI・IoT活用の生物自動モニタリングシステム「いきものアイ」を開発 鳥類を自動識別、生物多様性の可視化を実現,https://www.takenaka.co.jp/news/2026/01/02/