東京ワールドゲート赤坂・赤坂グリーンクロス|入居企業とアクセスから見る再開発の共通点とは

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トレンドワード:東京ワールドゲート赤坂・赤坂グリーンクロス
「東京ワールドゲート赤坂」と「赤坂グリーンクロス」は、どちらも赤坂エリアで2024年に竣工した、都市機能の更新を担う次世代型の大型複合ビルです。東京ワールドゲート赤坂は国家戦略特区として整備された「国際競争力を意識したオフィスビル」、赤坂グリーンクロスは内閣府防災担当事務室が入居する「防災機能を強化したAI活用型オフィスビル」と、それぞれ異なる役割を担っています。
本記事では、東京ワールドゲート赤坂と赤坂グリーンクロスの事業概要のほか、二つのビルに共通する空間構成と設計のポイントについて解説します。
東京ワールドゲート赤坂

東京ワールドゲート赤坂は、訪日外国人や海外企業が集積する虎ノ門・赤坂エリアにおいて、国際競争力の向上を目的に計画されたプロジェクトです。外国人の長期滞在の受け皿として、観光支援や宿泊機能に加え、国際水準の医療機能や教育機能を備えている点が特徴です。
ここでは、東京ワールドゲートがどのようにして国際水準を意識した都市機能を実現しているのか、くわしい事業概要を見ていきましょう。
アクセス・最寄り駅

出典:PR TIMES,「東京ワールドゲート赤坂」第2期竣工,https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000112.000134094.html,参照日2025.2.5
東京ワールドゲートの所在地とアクセスは、以下の通りです。
- 所在地:東京都港区赤坂2丁目17番22号
- アクセス:東京メトロ 銀座線・南北線「溜池山王」駅直結、東京メトロ 千代田線・丸の内線 「国会議事堂前」駅直結
東京ワールドゲートの最寄り駅は、東京メトロ「溜池山王駅」および「国会議事堂前駅」です。複数路線が利用可能なため、都心主要エリアへのアクセスにも優れています。
いずれの駅からも地下通路で直結しており、天候に左右されずに移動できる動線計画となっています。このように国際ビジネス拠点としての利便性を高めるアクセス環境が整えられている点も、本事業の特徴のひとつです。
建物構造・入居企業・テナント

東京ワールドゲートの構造・規模・面積は以下の通りです。
- 構造:鉄骨造、一部鉄骨鉄筋コンクリート造、一部鉄筋コンクリート造
- 階数:地上43階、地下3階、塔屋2階
- 面積:敷地面積 約17,980㎡/延床面積 約236,200㎡
東京ワールドゲート赤坂は、中層部の大部分をテナントオフィスが占める空間構成となっています。オフィスエリアは3階と5階~36階に位置し、竣工時には成約率95%超を達成するなど、高い入居率を誇るオフィスビルとなっています。
高い入居率の理由としては、柱のない約1,160坪の超大型フロア、長期停電に備えた非常用発電機など、企業活動を支える機能が豊富な点が挙げられます。入居企業は、アメリカン・エキスプレス、伊藤忠商事、エイチ・アイ・エスなどの企業が決定しています。
38~43階には、日本初進出のラグジュアリー・ライフスタイルホテル「1 Hotel Tokyo」が招致され、1~3階のクリニックや歴史文化発信施設とともに、訪日外国人の長期滞在を支援する施設が整備されています。地下には400台が収容可能な駐車場、外国語対応のバス乗り場が整備され、都内中心部との接続を強化する計画です。
これらの機能を垂直方向に集約することで、国際水準の滞在・就業環境を一体的に提供する建物構成となっています。
竣工日・開業日
東京ワールドゲートの竣工日・開業日は、以下の通りです。
- 着工日:2021年1月15日
- 第一期竣工・開業:2024年8月
- 第二期竣工:2025年10月
第一期竣工では東京ワールドゲートのメインとなる大型複合ビル「赤坂トラストタワー」が整備されました。
第二期竣工では、建物周辺の緑地や広場が完成しています。周辺に位置する赤坂氷川神社との歩行者道路が整備され、回遊性の向上が図られています。
設計・ゼネコン|大成建設
東京ワールドゲートの施工者は、以下の通りです。
- 設計・施工:大成建設
大成建設は、本プロジェクトの都市計画の段階から参画し、一体的な設計・施工体制でプロジェクトを推進しています。
赤坂グリーンクロス

赤坂グリーンクロスは、周辺緑地とビル壁面などの大規模な緑化に取り組み、グリーンインフラを促進することを目指した高層オフィスビルです。さらに、ソフトバンクと日建設計の合併会社「SynapSpark(シナプスパーク)」による、AI技術を活用したスマートビルという側面も持っています。
ここからは、赤坂グリーンクロスの多面的な特徴についてくわしく見ていきましょう。
アクセス・最寄り駅

赤坂グリーンクロスの所在地・アクセスは、以下の通りです。
- 所在地:東京都港区赤坂二丁目4番6号
- アクセス:東京メトロ銀座線・南北線「溜池山王駅」直結
東京メトロ丸ノ内線・千代田線「国会議事堂前駅」直結
赤坂グリーンクロスの最寄り駅は、東京ワールドゲートと同じく東京メトロ「溜池山王駅」および「国会議事堂前駅」です。
赤坂グリーンクロスには、内閣府の政策統括官(防災担当)事務室が入居している点も特徴です。重要な防災拠点を置く場所として選ばれているのは、ビル自体の防災性能の高さに加え、こういったアクセスの良さも理由のひとつといえるでしょう。
構造・入居企業・テナント
赤坂グリーンクロスの構造・面積は、以下の通りです。
- 構造:鉄骨造、一部鉄骨鉄筋コンクリート造および鉄筋コンクリート造
- 建物構成:地上28階・地下3階、建物高さ150m
- 敷地面積:約5,990 ㎡
- 延床面積:約73,450㎡
- 緑地面積:約2,300㎡(壁面緑化含まず)
赤坂グリーンクロスは、中層部・高層部の8~27階にテナントオフィスが整備されています。入居企業としては、最上階にITコンサルタント事業を展開するイントループ、5・6階にレンタルオフィスを提供するWeWorkなどが入居しています。
低層階にはコンビニや飲食店、ラウンジが配置され、ビジネス利用者の快適性を高めています。


ビル壁面には高さ150mに及ぶ壁面緑化ファサード、敷地内には大規模な公開空地「アーバンフォレスト」などを配置し、都心のグリーンインフラを促進する施設として構成されています。
竣工日・開業日
赤坂グリーンクロスの竣工日・開業日は、以下の通りです。
- 着工日:2022年4月
- 竣工日:2024年5月1日
- 開業日:2025年より順次開業
ゼネコン|大林・錢高・岩田地崎建設共同企業体
赤坂グリーンクロスの施工は、大林・錢高・岩田地崎建設共同企業体、設計は日建設計が担当しています。大林組は、一階の床を先行して構築する「1階先行床工法」を採用し、工期短縮と環境負荷低減を実現しました。
日建設計は、ソフトバンクとの合弁会社「SynapSpark」としても本事業に参加しています。
「SynapSpark」は、ビル全体から計測されたCO2排出量データをもとに、エネルギー利用の最適化を目指すスマートビル「Autonomousビル」の構築を支援する合弁会社です。赤坂グリーンクロスは、「Autonomousビル」の第一号となっています。
東京ワールドゲート赤坂・赤坂グリーンクロスの共通点
東京ワールドゲート赤坂と、赤坂グリーンクロスには、周辺環境の課題解決を目的とした複合開発であるという共通点があります。
東京ワールドゲートは、外国人の受け皿となる滞在施設の整備や交通機能の強化など、空間構成と最新技術によって地域課題の解決に取り組んでいる点が特徴です。一方、赤坂グリーンクロスは、AI技術によってビル全体を管理し、データを蓄積・活用することで、エネルギー管理や運営の高度化を図るなど、BCPにも配慮した設計となっています。
さらに、公共性を意識した用途構成と空間づくりにも共通点があります。東京ワールドゲートは、日本初進出のラグジュアリーホテル誘致、歴史文化発信施設の整備など、訪日外国人に配慮した用途構成となっています。
一方、赤坂グリーンクロスは、オフィスビルとしての機能のほか、オフィスワーカーが集まる赤坂エリアのまちづくりを意識した緑化設計にも大きく力を入れています。
まとめ
赤坂エリア一帯では、赤坂ニ・六丁目地区開発計画や鹿島建設本社ビルなど、連続的な大規模再開発が進められています。それぞれに独自の課題解決や空間づくりの特徴が設定されていますが、エリア全体の競争力強化や防災対応力の向上につながっています。
今後の再開発では、プロジェクト単体の完成度だけでなく、周辺エリアとの連携によるエリア全体の機能強化も重視されていくことでしょう。