【2026年最新版】建築のCHとは?図面に記載されるFL・GL・FHとの違い完全解説

建築図面を見ていると、「CH=2400」「FL+1000」といった高さ表記が並び、「CHって結局なに?」「天井高と同じ意味?」と迷った経験はないでしょうか。
【結論】CHとは、床仕上げ面から天井下面までの高さ(Ceiling Height)です。建築基準法では居室2100mm以上が必要になります。
そこでこの記事では、建築におけるCHの正しい意味・図面での読み方・他の高さ用語との違いをわかりやすく解説します。
目次
建築における「CH(シーリングハイト)」とは?

出典:建築研究所「新築木造戸建て住宅の浸水対策に関する検討」
建築におけるCHは、図面を読むうえで最初に確認すべき「室内の有効高さ」を示す寸法です。Ceiling Height(シーリングハイト) の略で、床の仕上げ面(FL)から天井の下面までの高さを示します。(上の画像の赤枠の部分を指します)
なおCHは、建築図面にミリメートル(mm)単位で表記され、以下のポイントを左右する非常に重要な基準寸法として扱われます。
- 室内空間の広さ
- 圧迫感
- 設備計画
たとえば、床の仕上げ面(FL)〜天井の下面の高さが2.4mだった場合「CH=2400」と書きます。
室内に圧迫感が出ないか、エアコン・換気ダクト・照明が天井内に納まるか、建築基準法で定められた最低天井高(2100mm)を満たしているかという条件チェックに活用されるため、正しい高さの範囲をイメージできるようになりましょう。
「CH」は天井高の略?正式名称と建築用語としての正しい意味
建築におけるCHは、Ceiling Height(シーリングハイト)という英語表記を略したもので、「どこからどこまでを測る高さか」が厳密に定義された専門用語です。
なお、注意したいのが英語を直訳で「天井高」と訳すことです。設計の際にはどこが起点でどこが終点になるのかを正しく理解しておかないと、正しい高さ設定ができなくなります。
「床の仕上げ面(FL)」から「天井の下面(仕上げ材の下端)」という取り決めがあるため、あいまいに理解しないように気を付けてください。
建築用語のCH・FL・GL・FHの違いを徹底比較
結論から言うと、CH・FL・GL・FHはすべて「高さ」を表す用語ですが、基準点と役割が異なります。この違いを整理せずに図面を読むと、「数値は合っているのに、空間や設備が納まらない」というトラブルが起きやすくなります。
以下にまとめた比較表、そして後述するそれぞれの高さ用語の解説をもとに、正しい使い分けをイメージできるようになりましょう。
| 用語 | 正式名称 | 基準点 | 主な役割 |
| CH | Ceiling Height | FL → 天井下面 | 室内の使える高さ |
| FL | Floor Line | 床仕上げ面 | 室内寸法の起点 |
| GL | Ground Line | 地盤面 | 敷地・建物高さの基準 |
| FH | Floor Height | 床 → 上階床 | 階全体の高さ |
※ここで迷ったら、以下のように覚えると図面が読みやすくなります。
- 室内の高さ → CH
- すべての基準 → FL
- 敷地・法規 → GL
- 階全体 → FH
CH(Ceiling Height)とは?
CHは、床の仕上げ面(FL)から天井の下面までの高さを示す寸法です。
居室の快適性や法規チェックの基準になるため、建築計画の中でも最も頻繁に確認されます。
| 項目 | 概要 |
| 正式名称 | Ceiling Height |
| 基準点 | FL → 天井下面 |
| 主な用途 | ・天井高の確保・建築基準法(居室2100mm以上)の確認・空調・照明・ダクト計画 |
FL(Floor Line)とは?
FLは、床の仕上げ面の高さを示す基準線です。
建築図面では、高さの範囲を記載するのではなく、後述するGLからの高さ情報を示します。なお、CHの下部の基準になるのが特徴です。
| 項目 | 概要 |
| 正式名称 | Floor Line |
| 基準点 | 床の仕上げ面 |
| 主な用途 | ・室内寸法の基準・CH(天井高)の起点・建具・設備取付高さの指定(FL+1000など) |
GL(Ground Line)とは?
GLは、建物外部の地盤面の高さを示す基準線です。
室内空間ではなく、敷地条件・建物高さ・法規制の判断に用いられます。GLの高さ基準が決まることにより、前述したFLの高さがわかります。
| 項目 | 概要 |
| 正式名称 | Ground Line |
| 基準点 | 敷地の地盤面 |
| 主な用途 | ・建物高さ・斜線制限の判定・外構、造成計画・確認申請時の基準高さ |
FH(Floor Height)とは?
FHとは、ある階の床から上階の床までの高さ(階高)を示す寸法です。
CHと混同されやすいですが、CH、天井懐、梁せい、スラブ厚を含めた「階全体の高さ」を表します。
| 項目 | 概要 |
| 正式名称 | Floor Height |
| 基準点 | 下階床 → 上階床 |
| 主な用途 | ・階高の設定・構造・設備計画・CH確保の前提条件 |
建築基準法とCHの最低基準【2100mmの意味】
結論から言うと、建築基準法では「居室の天井高(CH)は原則2100mm以上」と定められています。
(居室の天井の高さ)
第二十一条 居室の天井の高さは、二・一メートル以上でなければならない。
2 前項の天井の高さは、室の床面から測り、一室で天井の高さの異なる部分がある場合においては、その平均の高さによるものとする。
引用:e-Gov法令検索「建築基準法|第21条」
主に、居室として必要な採光・換気・居住性を確保する最低限の高さとして設定されています。確認申請・検査で条件を満たしているかチェックされるため、確実に確保しなければなりません。
なお、すべての部屋が「居室」扱いになるわけではありません。たとえば、次のような空間は、2100mm未満でも成立するケースがあります。
- 廊下
- トイレ
- 浴室
- 収納(納戸・クローゼット)
ただし、「将来居室として使う可能性がある」「図面上の用途区分が曖昧」といった場合、行政から是正を求められるケースもあるため、設計段階で用途を整理しておく必要があります。
CHが建築設計・設備・暮らしに与える影響
CHは、室内で人が常に視覚・体感として感じ続ける寸法であるため、床面積は同じでも、CHが違うだけで次のような差が生まれます。
- 視線が抜けて広く感じる
- 圧迫感が出て落ち着かない
- 音・空気がこもりやすい
また、CHは設備スペース(天井懐)とも密接に関係します。CHを確保しようとして無理に天井懐を削ると、空調・換気・照明計画が破綻することもあるため注意が必要です。
※一般的な住宅ではCH2400mm前後が多く、2200mmを下回ると圧迫感を覚える人が増えると言われています。
さらにCHは、設備計画において逃げ場の寸法でもあります。天井内には以下の設備が必要であるため、FHが限られている中でCHを優先しすぎると、天井懐が足りず、梁下CHが下がるといった本末転倒な設計になることも少なくありません。
- エアコンダクト
- 換気ダクト
- 給排水配管
- 照明器具・配線
設計・設備・暮らしを同時に調整するためのバランス指標であるため、ただ高さを決めるのではなく、その建物の設備や空間条件に合わせて最適な高さを設定することが重要です。
CHが書いてない建築図面はどう判断する?
建築図面にCHが記載されていない場合、実務では、複数の図面や仕様書を突き合わせてCHを読み取るのが一般的です。
まず次のようなケースでは、意図的にCHが省略されることがあります。
- 標準仕様でCHが決まっている
- 天井伏図で一括管理している
- 初期検討段階のラフ図面である
この場合、CHは「別図面・別資料を見れば分かる前提」として扱われており、1枚の図面だけで完結しない設計になっています。そのため、天井伏図や断面図の梁下寸法、仕様書・矩計図などをチェックしたうえで、CHを導き出す必要があります。
設備用語としての「CH」は別物?
設備図面で使われる「CH」は、建築のCH(Ceiling Height)とは意味が異なる場合があります。
たとえば、設備図面では機器名・部材名・系統名の略称としてCHと表記される場合もあり、文脈を見誤ると解釈を間違える原因になります。そのため、設備図面で「CH」を見かけた際には、必ず次を確認しましょう。
- 図面タイトルが「設備図」「空調図」「給排水図」か
- 数値が「2400」など寸法表記か
- 記号の横に凡例・注記があるか
これらを確認すれば、建築のCHなのか、それとも設備独自の略語なのかが判別できます。
まとめ
建築におけるCHは、床の仕上げ面から天井下面までの高さを示す重要な寸法です。FL・GL・FHとの違いを正しく理解することで、図面の読み間違いや法規・設備トラブルを防げます。
建築設計で欠かせない寸法表記であるため、ほかの寸法表記や建築用語との違いをイメージできるようになりましょう。