大和ハウス工業、DX年次報告書2025年版を公開、AI活用や万博への取り組みも紹介

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大和ハウス工業株式会社(本社:大阪市、社長:大友浩嗣)は、デジタルトランスフォーメーション(DX)に関する取り組みをまとめた報告書「大和ハウスグループDXアニュアルレポート2025」を、2025年10月30日に自社ウェブサイト上で発表しました。同社の本社は大阪市北区梅田3-3-5に所在し、代表取締役社長には大友浩嗣氏が就任しています。

年次報告書の目的と位置づけ

同社グループでは、株主や投資家などの関係者に向けて、DXに関する戦略や具体的な施策を分かりやすく説明することを目的に、2021年からこの報告書を作成しています。これは、2022年度から始まった「第7次中期経営計画」において、DXを主要テーマの一つとして掲げていることに基づくものです。

経営陣からの発信

報告書の冒頭部分となる「トップメッセージ」では、経営層がDXの必要性について語っています。メッセージを寄せているのは、代表取締役会長でCEOの芳井敬一氏、代表取締役社長でCOOの大友浩嗣氏、そして代表取締役副社長の村田誉之氏の3名です。このセクションでは、同社グループにとってDXがいかに重要な位置を占めているかが示されています。

バリューチェーン全体のデジタル化

報告書では、ものづくりにおけるバリューチェーンのデジタル化について紹介されています。具体的な内容は以下の通りです。

・建設プラットフォームの構築

・顧客との関係性を深めるための施策

・製造プロセスの革新

・建物の管理業務における高度化

これらの取り組みにより、同社は製品やサービスを提供する過程全体において、デジタル技術を活用した効率化を図っています。

社内業務のデジタル化推進

バックオフィス領域においても、デジタル化が進められています。報告書に掲載されている主な取り組みは次の項目です。

・従業員の働き方を見直す改革

・業務システムの全面的な更新

・情報セキュリティ対策の充実

・海外拠点を含めたIT管理体制の整備

・データを活用する能力の向上

これらの施策を通じて、多様な勤務形態に対応できる環境づくりを進めています。

外部との協力関係

同社は、他の企業や組織との連携により、新しい価値を創出することにも力を入れています。報告書では「オープンイノベーション」という項目で、以下の取り組みが紹介されています。

・オープンイノベーションプログラム:主にスタートアップ企業が持つ技術や製品と、同社グループの資源を組み合わせて、画期的な事業を生み出すための共同プロジェクト

・DX分野の人材育成

・従業員による新規事業立ち上げ制度

・CVC(コーポレートベンチャーキャピタル):外部のベンチャー企業への投資活動

特集記事の内容

2025年版の報告書では、特に注目すべきテーマとして二つの特集が組まれています。

一つ目は人工知能(AI)の活用についてです。同社がAI技術をどのように業務に取り入れているかが説明されています。

二つ目は、大阪・関西万博に関連した取り組みです。同社がこの国際的なイベントにどう関わっているかが取り上げられています。

建設DXの映像資料

報告書と合わせて、建設分野におけるDXがもたらす効果を説明する動画コンテンツも公開されています。この映像では、デジタル技術が建設業界にもたらす利点について、視覚的に分かりやすく紹介しています。

組織体制と第三者の視点

報告書には、DX推進を担当する組織の構造についての説明も含まれています。また、社外取締役からのメッセージや、外部の専門家によるコメントも掲載されており、客観的な視点から同社の取り組みが評価されています。

今後の展望

同社は、これからも事業運営と経営基盤の両方においてDXを推進していく方針です。新しい価値を生み出す事業の創出や、ビジネスの仕組み自体を改善していくことに注力していくとしています。

この報告書は、同社グループがデジタル技術を活用して、どのように企業活動を進化させているかを、関係者に分かりやすく伝える重要な資料となっています。

出典情報

大和ハウス工業株式会社リリース,「大和ハウスグループDXアニュアルレポート2025」公開,https://www.daiwahouse.co.jp/about/release/house/20251029180134.html