国土交通省発表、9月の建設工事受注額2兆2,251億円で34.7%増、民間工事が大幅増

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国土交通省は10月31日、大手建設業者50社を対象とした令和7年9月分の建設工事受注動態統計調査結果を発表しました。民間部門の工事が大幅に伸びたことにより、受注総額は前年同月と比較して34.7%の増加となり、2か月連続のプラス成長を記録しています。

受注総額の状況

9月における受注総額は2兆2,251億円となりました。前年同月比で34.7%の増加を示し、2か月連続の増加傾向が続いています。国内工事の内訳を見ると、民間工事は増加した一方で、公共工事は減少する結果となりました。国内計では2兆2,032億円となり、前年同月比31.8%の増加で2か月連続の増加です。

民間工事の動向

9月の民間工事受注額は1兆7,636億円で、前年同月比49.0%の大幅な増加となり、2か月連続で伸びを見せています。製造業と非製造業の両方で増加が見られました。

業種別の内訳

製造業では前年同月比1.6%の増加となりました。非製造業については66.5%という大幅な伸びを記録しています。

発注者別で見ると、サービス業、鉱業・採石業・砂利採取業・建設業、不動産業などで増加が見られた一方、情報通信業では減少しました。

工事種類による分析

工事種類別では、建築と土木の両方で増加しています。具体的には、事務所・庁舎、宿泊施設、住宅などの受注が増えました。逆に、工場・発電所、倉庫・流通施設、教育・研究・文化施設では減少が見られています。

公共工事の推移

9月の公共工事は3,946億円で、前年同月比10.5%の減少となり、3か月連続のマイナスとなっています。

発注機関による状況

国の機関は前年同月比16.0%の減少となった一方、地方の機関では11.3%の増加となりました。

国の機関の内訳では、独立行政法人が増加しましたが、政府関連企業と国が減少する結果となっています。地方の機関については、地方公営企業と都道府県で増加が見られた一方、市区町村と地方その他の分類では減少しています。

工事の種類別動向

工事種類別に見ると、建築工事は増加しましたが、土木工事は減少となりました。土木その他、上水道・下水道、教育・研究・文化施設などでは増加が見られた一方、道路、工場・発電所、治山・治水などでは減少しています。

海外工事について

9月の海外工事受注額は220億円となり、前月の減少から再び増加に転じました。

調査の目的と公表

この建設工事受注動態統計調査は、建設業者における工事受注の動きや、公共機関・民間などからの受注工事の詳しい内容を把握することを目的としています。発注者別、業種別、工事種類別、地域別といった様々な角度から分析が行われており、建設業界の現状を知るための重要な指標となっています。

今回の調査結果は、政府統計の総合窓口「e-Stat」において公表されています。

出典情報

国土交通省リリース,建 設 工 事 受 注 動 態 統 計 調 査 報 告 ( 大 手 50 社 調 査 )( 令 和 7 年 9 月 分 ) に つ い て,https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001965871.pdf