大成建設技術センター、国交省の優良緑地認定制度TSUNAG認定取得、45年の取り組みが評価

大成建設株式会社(社長:相川善郎)の技術センター(神奈川県横浜市戸塚区)が、2025年10月に国土交通省による「優良緑地確保計画認定制度(TSUNAG:ツナグ)」の認定を受けました。同施設は1979年に現在地へ移転して以来、45年以上もの長期にわたって約12,000平方メートルの緑地を計画的に整備し、管理を続けてきました。この地道な努力と、地域固有の自然環境や生態系を守る姿勢が認められた形です。
敷地の3分の1を緑地として活用
技術センターの敷地面積は約36,000平方メートルあり、そのうちおよそ3分の1に相当する約12,000平方メートルが緑地として整備されています。近年、周辺では住宅開発が活発に進んでいますが、そうした中でも都市部における生態系の保全や、気候変動への対応、さらには人々の心身の健康増進といった視点から、先駆的で継続性のある緑地管理を実践してきた点が高い評価を受けました。
特徴的な3つの取り組み
技術センターの緑地には、次のような際立った特徴があります。
生態系を大切にした設計
地域に自生する植物を中心とした植栽計画を立て、緑地全体を整備しています。また、枯れた木をあえて残すことで、昆虫や小動物の住みかを確保するなど、多様な生き物が暮らせる環境づくりに力を入れています。こうした工夫により、都市部でありながら豊かな生態系を維持することに成功しています。
人と自然の調和を目指した空間づくり
緑地内は「人が自然に触れ合える場所」と「生き物の生息を優先する場所」といったように、目的に応じてエリアを分けて整備されています。この区分けにより、人間の活動と野生生物の生息空間が両立する仕組みを実現し、それぞれのエリアに適した管理方法を採用しています。
先進的な環境技術の活用
敷地内には、自然由来の素材を使った浄化システムを備えたビオトープ池が設置されています。この池は水質を良好に保ちながら、水辺の生態系を維持する役割を果たしており、環境保全における技術力の高さを示す事例となっています。
地域社会への貢献
こうした様々な取り組みの結果、技術センターの緑地は都市の中にありながら豊かな自然環境を保ち、地域に生息する多様な生物の生活を支えています。同時に、周辺地域に暮らす人々にとっても、快適で心地よい生活空間を提供する場所となっており、地域社会全体の暮らしの質の向上に寄与しています。
今後の展望
大成建設は、グループ全体で掲げる長期的な環境目標「TAISEI Green Target 2050」に沿って、今後も自然環境との調和を重視した事業活動を続けていく方針です。持続可能で人々が安心して生活できる街づくりを推進することで、社会基盤の質を高める取り組みを継続していくとしています。
TSUNAG制度について
優良緑地確保計画認定制度(TSUNAG:ツナグ)は、国土交通省が「まちづくりGX」の取り組みの一つとして創設した制度です。令和6年11月に施行された改正都市緑地法に基づいており、企業などが行う質の高い緑地確保の活動を、気候変動への対策、生物多様性の確保、人々の健康や幸福度の向上といった観点から、国土交通大臣が評価し認定する仕組みとなっています。
この制度により、都市部における緑地の保全と活用が一層促進され、環境保全と経済活動の両立を目指す企業の取り組みが可視化されることが期待されています。大成建設技術センターの認定は、企業による長期的な環境保全活動の成功例として、今後の都市開発における参考事例となるでしょう。
出典情報
大成建設株式会社リリース,大成建設技術センターが国土交通省「優良緑地確保計画認定制度TSUNAG」に認定-都市の中で豊かな自然と共生する緑地づくりを推進-,https://www.taisei.co.jp/about_us/wn/2025/251024_10674.html