三愛ドリームセンター建て替え|解体工事の予定や現ビル建設で生まれた「日本初」を解説

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「三愛ドリームセンター建て替え工事」についてピックアップします。三愛ドリームセンターは、1963年(昭和38年)に開館した、日本初の広告建築です。本記事では、三愛ドリームセンター建て替え工事の概要や新ビルのコンセプトのほか、現ビルの当時最先端の取り組みについて解説します。

「三愛ドリームセンター建て替え工事」とは|事業概要

出典:株式会社リコー,東京・銀座の「三愛ドリームセンター」建て替えのお知らせ,https://jp.ricoh.com/-/Media/Ricoh/Sites/jp_ricoh/release/2023/pdf/0201_2.pdf,参照日2025.11.13

ここからは、「三愛ドリームセンター建て替え工事」の事業概要について、わかりやすくご紹介します。

所在地

三愛ドリームセンターの所在地は、東京都中央区銀座5-7-2です。アクセスは、JR東日本 有楽町駅から徒歩7分、東京メトロ日比谷線 銀座四丁目駅からは徒歩2分となります。

三愛ドリームセンターのある銀座周辺は、高級志向の商業施設が立ち並ぶ商業エリアです。現ビルは竣工から60年が経過し、老朽化が進んでいることから建て替えとなりました。

解体工事開始日・竣工予定日

三愛ドリームセンター建て替え工事の工事予定日は、以下をご確認ください。

解体工事

  • 工事開始日:2023年
  • 工事完了日:2025年(予定)

新築工事

  • 工事開始日:未定
  • 竣工日:2027年(予定)

ゼネコン|竹中工務店

三愛ドリームセンター建て替え工事の施工を担当するのは、竹中工務店です。竹中工務店は、現ビルの施工と解体工事も担当しています。設計者は、建築家の小堀哲夫氏となっています。

三愛ドリームセンター建て替え後のコンセプト

三愛ドリームセンターは、斬新な形状と数々の広告パフォーマンスで、銀座のランドマークとして長く愛されてきたビルです。新ビルも、その優れた部分を引き継いでいくことが期待されています。

ここからは、三愛ドリームセンター建て替え後のコンセプトについて見ていきましょう。

コンセプトは「CIRCULAR(サーキュラー) -めぐり めぐる よろこび-」

三愛ドリームセンターの建て替え後は、「銀座のランドマークとして、はたらく歓びが循環する空間を目指す」としています。現ビルは、婦人服などのショップや展示施設、広告建築としての役割がありました。

新ビルは、環境対策やバリアフリーを特に意識する計画です。

新ビルは現在のビルのレガシーを継承

三愛ドリームセンターの現ビルの特徴は、何といっても円筒形のビルが総ガラス張りされた外観です。インパクトのある見た目からファッションやアートのための施設としても活用され、2021年にはリコーアートギャラリーがオープンしました。

現ビルの斬新な見た目を思いついたのは、リコー三愛グループ創業者の市村 清氏です。五重塔からヒントを得たガラス張りの「光の円筒」を建設し、ビル全体を広告として活用することにより、収入を得るアイデアも発案されました。

新ビルは、現ビルのレガシーを受け継ぐと発表されています。現ビルの特徴的な外観がどのような形で継承されるのか、期待が高まります。

三愛ドリームセンターで採用された日本の先進的な取り組み

出典:中央区,三愛ドリームセンター,https://www.city.chuo.lg.jp/a0052/bunkakankou/bunka/kyodoshiryokan/kindai_kentikubutu_tyousa/kindai83.html,参照日2025.11.13

三愛ドリームセンターの建設では、「光の塔」としての斬新な外観を実現するために、数々の「日本初」や先進的な取り組みが生まれました。ここでは、現ビルの建設によって初めて実現した取り組みについてご紹介します。

リフトアップ工法

三愛ドリームセンターの建設現場は、約100坪という狭い敷地であったこと、また銀座の中心部であったことから、工事の進め方にも課題がありました。そこで、地上4階の床を作業場とし、床を釣り上げて設置する「リフトアップ工法」が採用されました。

現ビルが建設された1963年当時、一般的な工法とは逆に下から上へとつり上げて進められるリフトアップ工法は、世界から注目された工法となっています。

網入り曲面ガラス

現ビルの特徴的な外観を構成する「総ガラス張り」の曲面ガラスは、三愛ドリームセンターの建設がきっかけで開発されたものです。現ビルが建設された1963年当時、消防法に適合した「網入りガラス」で、かつ曲面の板ガラスは存在していませんでした。

そこで、富山県のガラスメーカーが開発に乗り出し、世界初の「網入り曲面ガラス」が実現されました。以降、同メーカーは国内シェアトップの曲げガラスメーカーとなっています。

広告としての建築

三愛ドリームセンターは、日本初の「広告建築」として建設されたビルです。当時のビルの利用目的は賃貸がメインでしたが、三愛ドリームセンターの狭い敷地を最大限に活用する方法として、巨大広告としてのビルを建設することが決定されました。

結果として三愛ドリームセンターは銀座のランドマークとなり、約60年以上の間長く愛されるまちのシンボルとなっています。

まとめ

三愛ドリームセンター建て替え工事は、解体工事の完了を2025年、竣工を2027年に予定しています。新たな銀座のランドマークとして、どのようなビルに生まれ変わるのか、今から期待が高まります。