大和ハウス工業と燈、AI活用で戸建住宅プラン提案、AIプランコンシェルジュver.1を導入

AI技術で住宅プラン提案が数秒で完了へ、大和ハウス工業と燈が新システムを導入
大和ハウス工業株式会社と燈株式会社は、戸建住宅を検討する顧客に対し、AIを活用したプラン提案サービス「AIプランコンシェルジュ ver.1」を共同で開発しました。このサービスは2025年10月2日から、全国の営業担当者が実際の商談で使用を開始します。
2,000超のプランからAIが最適案を抽出
大和ハウス工業は2024年7月から、自由設計と規格住宅の“いいとこどり”をした価格を抑えられる規格・セミオーダー住宅「Smart Made Housing.(スマートメイドハウジング)」を展開しています。この商品には人気の高い2,000以上の住宅プランが用意されており、顧客の好みに応じた提案が可能となっています。
一方、燈は2021年2月の設立以降、建設業界やエネルギー、インフラ、製造業といった日本の主要産業が抱える労働力不足や効率化の問題に対し、独自開発のAI技術によるソリューションを展開してきました。
両社は今回、新築戸建住宅の購入希望者に対して、より迅速に条件に合った住まいを提案するため、このシステムを共同開発しました。
システムの主な特徴
営業担当者が商談時に、建設予定地の敷地条件、住まいへの要望、予算などを入力して検索すると、2,000以上のプランの中から、わずか数秒で要望との適合度が高いものを順位付けし、複数のプランを抽出します。
入力項目は17項目から選択可能で、家族構成、部屋数、広さ、階数、外観や内観のデザイン、新居で優先したい点などを指定できます。また、所有している土地や購入を予定している土地の面積や形状も入力できるため、実際の敷地条件に適したプラン選定が進めやすくなります。さらに、選択項目以外の要望も自由に入力できる機能があり、より顧客の希望に近いプランの提案が可能です。
営業担当者の経験に左右されない提案を実現
このシステムでは、AIが各プランの説明文も自動で生成します。そのため、営業担当者の知識や経験の差に関わらず、顧客への提案が可能になります。
従来は、初回商談時に聞いた要望を基にプランを提案するまでに時間がかかっていましたが、このシステムの導入により、商談中に顧客が直感的にイメージしたプランをその場で比較・検討できるようになります。
また、営業担当者が用途に応じて適切なプランを検索できる機能のほか、大まかな要望にも素早く対応する「簡易版」と、詳細な要望に基づいてより精度の高い提案を行う「詳細版」の3種類の検索方法を用意しています。
独自のAI技術による高度な分析
このシステムには、大和ハウス工業が持つ2,000以上のプランデータと、燈が開発したAI技術を組み合わせることで、顧客に最適なプランの提案を実現する仕組みが搭載されています。
導入されている独自技術には、以下のようなものがあります。
・敷地条件を考慮した検索を行い、プランの配置図案を自動で生成するAI
・図面中の文字情報だけでなく、各部屋の面積や動線などを瞬時に構造化する図面解析AI
・顧客の要望と住宅図面を統合的に自動解析し、検索されたプランの選定理由や間取り全体、各部屋の特徴を解説するAI
今後の展開
両社は今後、このシステムで蓄積されたデータを「Smart Made Housing.」のプラン開発にも活用し、新築戸建住宅を検討する顧客の要望により合致したプランの厳選を進めていく方針です。
各社の概要
大和ハウス工業は1955年に「建築の工業化」を企業理念として創業し、多くの人の役に立つ商品開発やサービス提供に取り組んできました。戸建住宅を中心に、賃貸住宅、分譲マンション、商業施設、物流施設や医療・介護施設などの事業施設、環境エネルギーなど、幅広い分野で事業を展開しています。
燈は「日本を照らす」という思いを社名に込めた東京大学発のAIスタートアップ企業です。建設業界をはじめ、エネルギー、インフラ、製造業など、日本の主要産業が抱える人手不足や生産性向上の課題に対し、独自のAI技術を使ったソリューションを提供しています。
出典情報
大和ハウス工業株式会社リリース,■2,000以上の戸建住宅プランとAI技術を組み合わせ、提案力とスピードを向上「AIプランコンシェルジュ ver.1」を共同開発,https://www.daiwahouse.co.jp/about/release/house/20250930095425.html