大和ハウス工業とオートデスク、4度目の戦略提携でBIM活用を加速、次世代工業化を推進へ

大和ハウス工業株式会社(本社:大阪市、社長:大友浩嗣氏)と米国のAutodesk社(本社:米国カリフォルニア州、プレジデント兼CEO:アンドリュー・アナグノスト氏)は、2025年9月18日付で建設業界における新しい協力体制を構築する覚書に調印しました。これは両社にとって4回目となる戦略的連携の合意です。
今回の提携では、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)技術を中心に据えた建設分野での優位性を活かし、さらなる発展を目指して共同で取り組んでいく方針が示されました。
これまでの協力関係の歩み
両社の連携は2018年に始まりました。当時、大和ハウス工業が社内全体でBIMを導入していくため、初めての戦略的連携に関する覚書を結んだのです。その後、2020年と2022年にも覚書を更新してきました。
これまでの取り組みでは、デジタルツインのバーチャルモデルとしてBIMを活用し、「つくる」「ためる」「活用する」という3つの段階を実現することを目標としてきました。具体的には、Autodesk Revit®やAutodesk Construction Cloud®といった基盤システムを使って、様々な施策を展開してきた経緯があります。
調印式には、Autodesk社から最高執行責任者のスティーブ・ブラム氏が、大和ハウス工業からは代表取締役副社長の村田誉之氏が出席しました。
今後の協力体制について
今回の覚書締結によって、工業化建築の先駆者である大和ハウス工業と、BIM分野の開拓者であるAutodesk社は、持続可能性の推進と建設業界の未来に向けた協力関係をより強固なものにしていきます。
大和ハウス工業は、中長期的な経営方針に基づいて建設業界の変化を先導し、世界中で使える共通言語としてBIMを確立することを目指しています。一方、Autodeskは世界各地での実績と専門的な知見を生かして、大和ハウス工業が進める次世代の工業化を後押しするとともに、国内だけでなく海外でもBIM基盤によるデジタル上での協力体制を推進していく考えです。
新しい覚書で定められた協力内容
今回の戦略的連携では、以下の6つの分野で協力していくことが定められています。
・次世代工業化(IC:Industrialized Construction)の実現と推進
・データを活用した戦略とAI技術の導入
・BIMから生まれる新しい価値の創出
・日本国内の設備業界に対するBIM技術の支援
・海外の先進的な企業との協力関係の構築
・建設分野におけるBIM教育の普及活動
使用するシステムについて
Autodesk Revit®は、Autodesk社が提供しているBIMソフトウェアです。建築デザイン、構造設計、設備(機械・電気・配管)など、複数の分野に対応しており、現在は14の言語で利用することができます。
Autodesk Construction Cloud®は、建設業界向けに提供されているクラウドベースのサービスです。設計の段階から施工、運用に至るまで、プロジェクト全体をつなげることで、関係者間の協力やデータの管理をサポートしています。
各社の基本情報
大和ハウス工業株式会社は、代表取締役社長に大友浩嗣氏を据え、1955年4月5日に創業されました。本社は大阪府大阪市北区梅田3-3-5に位置しています。
Autodesk社は、プレジデント兼CEOにアンドリュー・アナグノスト氏を擁し、1982年に設立されました。本社は米国カリフォルニア州サンフランシスコのThe Landmark @One Market,Ste.400, San Francisco, California 94105 USAにあります。
デジタル技術が切り拓く建設業界の将来
建設業界では、デジタル技術の活用が急速に進んでいます。今回の両社の提携強化は、日本の建設業界がグローバルスタンダードに対応していくための重要な一歩となるでしょう。BIM技術を中心とした協力体制が、今後の建設業界にどのような変化をもたらすのか、注目が集まります。
出典情報
大和ハウス工業株式会社リリース,■新たな戦略的連携に関する覚書(第4弾)を締結 BIM基盤を活用した工業化建築の進化やデジタルコラボレーションを促進,https://www.daiwahouse.co.jp/about/release/house/20250930121117.html