「帝国ホテル東京 新本館」とは|なぜ今?建て替えの経緯と建築家のデザインコンセプトも解説

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「帝国ホテル東京 新本館」についてピックアップします。帝国ホテルは「日本の迎賓館」として鹿鳴館(ろくめいかん)の隣に誕生し、2040年には開業150周年を迎える歴史あるホテルです。本記事では、帝国ホテル東京 新本館の事業概要やデザインコンセプトのほか、建て替え中の休業・営業期間についても解説します。
「帝国ホテル東京 新本館」とは|事業概要

ここからは、「帝国ホテル東京 新本館」の事業概要について、帝国ホテル東京の資料などからわかりやすくご紹介します。
所在地

「帝国ホテル東京 新本館」の所在地は、東京都千代田区内幸町一丁目1番1号です。交通アクセスは、JR東日本「東京駅」から徒歩13分で、東京メトロ千代田線「日比谷駅」からは徒歩3分となります。
帝国ホテル東京 新本館は、大手町、丸の内、銀座、霞が関など、日本有数の商業エリアの中心部に位置しています。今回の建て替えでは施設の再整備だけでなく、防災拠点としての機能を充実させる計画です。
構造・規模

建物の構造は、以下をご参照ください。
| 建物 | 構造 |
|---|---|
| 新本館 | 地上29階(高さ約145m)、地下4階 |
| 新タワー館 | 地上46階(高さ約230m)、地下4階 |
| セントラルタワー | 地上46階(高さ約230m)、地下6階 |
新本館とともに、ノースタワー、セントラルタワーがそれぞれ建設され、営業エリアが拡張します。新本館は宿泊施設と宴会場が整備され、セントラルタワーの高層部にはスモールラグジュアリーホテルが開業される予定です。新タワー館には、オフィスと賃貸住宅が整備されます。
面積
主な面積は、以下をご参照ください。
新本館
- 敷地面積:約2.4ha(新タワー館との合計)
- 延床面積:約15万㎡
新タワー館
- 敷地面積:約2.4ha(新本館との合計)
- 延床面積:約27万㎡
セントラルタワー
- 敷地面積:約2.2ha
- 延床面積:約37万㎡
工事開始日・竣工予定日
工事開始日と竣工予定日は、以下の通りです。
- 解体着工日:タワー館 2024年、本館 2031年
- 竣工日:タワー館 2030年、本館 2036年
休業・営業予定
帝国ホテル東京は、建て替え中も休業の予定はありません。帝国ホテル東京の「タワー館」は、2024年6月30日で営業を終了しましたが、宿泊施設のある本館は建て替え中も休業期間はなく、営業を継続する計画です。
旧本館は新本館が完成、開業するまで営業継続となり、新本館が開業した後に閉鎖する予定となっています。
ゼネコン|未発表
帝国ホテル東京 新本館の施工担当ゼネコンは、記事掲載時点で未発表です。
「帝国ホテル東京 新本館」のポイント
ここからは、「帝国ホテル東京 新本館」建て替えプロジェクトのポイントについて見ていきましょう。
帝国ホテル東京の建て替えはなぜ今?経緯と詳細
帝国ホテル東京は、1890年に開業し、2040年には開業150周年を迎えるホテルです。これまでに3度の建て替えがあり、現在の建物はその3代目で、竣工から50年が経過しています。こうした老朽化と、日本を代表するホテルとしてのブランド力の向上を目的に、今回の建て替えが計画されました。
帝国ホテル建て替えのデザインコンセプトは「東洋の宝石」

帝国ホテル東京4代目となる新本館のデザインは、フランス在住の日本人建築家、田根 剛氏によるものです。コンセプトは「東洋の宝石」で、海外からのゲストをもてなす迎賓館としての心構えを、宮殿のたたずまいで表現しているのが特徴です。
「東洋の宝石」は、帝国ホテルのライト館(フランク・ロイド・ライト氏が設計した帝国ホテル2代目本館)を言い表す言葉であり、かつての帝国ホテルの輝きを未来につなげていくことを表現しています。
「帝国ホテル東京 新本館」建て替えと周辺エリアの再開発
ここからは、「帝国ホテル東京 新本館」の建て替えに伴う周辺エリアの再開発と、営業エリアの拡張について見ていきましょう。
内幸町一丁目街区の開発プロジェクト「TOKYO CROSS PARK構想」

「帝国ホテル東京 新本館」の建て替えは、内幸町一丁目街区の開発プロジェクト「TOKYO CROSS PARK構想」の一部となっています。「TOKYO CROSS PARK構想」とは、日比谷公園周辺の約110万㎡のエリアを再開発する大型プロジェクトです。
具体的には、帝国ホテル東京のノースタワー、セントラルタワー、サウスタワー、新本館を建設するもので、日比谷公園とつながる道路上公園を整備し、エリアの回遊性を向上させる計画です。今回の帝国ホテル東京 新本館の建て替えは、そのうちの「新本館建設」に当たります。
ノースタワーとセントラルタワーにも営業エリア拡張

営業継続計画について,
https://www.imperialhotel.co.jp/sites/default/files/file/2024-02/91df22329cf3e3f8b35169f054f2dfe0.pdf,参照日2025.10.27
これまでの帝国ホテル東京の営業エリアは、旧本館と旧タワー館のみでしたが、今回の建て替えで新たに「セントラルタワー」を建設し、営業エリアを拡張します。
セントラルタワーには客室と、1,000㎡超の大宴会場、300㎡クラスの中宴会場が整備される予定です。客室は新ブランドとなる「宿泊特化型スモールラグジュアリーホテル」となり、小規模で高級志向の宿泊施設となります。
ノースタワーは「日比谷に住まう」ことを叶えるサービスアパートメント、賃貸住宅、オフィスとして営業されることになり、これまであった宴会場はセントラルタワーに集約される形となっています。
まとめ
帝国ホテルは、1980年(明治23年)の開業から100年以上の歴史を持つ、日本を代表するホテルです。4代目となる新本館は、営業エリアを大きく拡張し、迎賓館としての役割とブランディングを向上させる計画です。
新本館の開業予定は、2036年です。帝国ホテル東京新本館が、新しい日本の顔としてどのような施設になっていくのか、見守っていきましょう。