2028東京海上ビル本社建て替え|国産木材使用の「木の本店ビル」

目次
トレンドワード:東京海上ビル本社建て替え
「東京海上ビル本社建て替え」についてピックアップします。東京海上ホールディングスは本社ビル「東京海上日動ビル本店」の建て替えを進めており、完成は2028年を予定しています。
国産木材を活用した世界最大規模の木造・ハイブリッド建築で、丸の内エリア初となる全館免震構造を採用しているのが特徴です。さらに屋上庭園や中庭など、自然を身近に感じられるランドスケープデザインを取り入れています。本記事では、建物概要や特徴について分かりやすく解説します。
2028東京海上ビル本社建て替え|概要まとめ

ここではまず、2028年竣工予定の東京海上ビル本社建て替え工事の概要を解説します。
住所
東京海上ビル本社の住所は「東京都千代田区丸の内1丁目6番1」です。従来の東京海上日動ビル本館および新館を、一体で建て替えて建設する計画となっています。
一部移転先|常盤橋タワー

東京海上ホールディングスと東京海上日動火災保険、東京海上日動あんしん生命保険の3社は、本店を「常盤橋タワー(住所:東京都千代田区大手町二丁目6番4号)」に移転しました。2021年12月から順次移転を開始し、2022年6月までに完了しています。
建物概要
東京海上ビル本社の建物概要は、下記の通りです。
- 敷地面積:10,147.61 ㎡
- 主要用途:事務所(本店ビル)、駐車場等
- 構造:S 造/木造/SRC 造
- 規模:地下 3 階、地上 20 階、塔屋 2 階
- 建物高さ:約 100m
- 延床面積:約 130,000 ㎡
設計デザイン|三菱地所設計・Renzo Piano Building Workshop

東京海上ビル本社のデザインは、三菱地所設計とRenzo Piano Building Workshop(RPBW)による共同設計です。RPBWはプリツカー賞を受賞した世界的建築家レンゾ・ピアノ氏が主宰する設計事務所で、本建築が日本で担当する最初のオフィスビルとなります。
そして三菱地所設計は丸の内エリアで多くの設計を手掛けており、安定したコラボレーションが期待されています。
ゼネコン
東京海上ビル本社のゼネコンは「竹中工務店、大林組、清水建設、鹿島建設、大成建設、戸田建設による共同企業体」です。本館・新館を一体で建て替えるため解体工事等も大規模になりますが、大手ゼネコンの協業によるスムーズな工事が予定されています。
解体・竣工スケジュール
東京海上ビル本社の解体・竣工スケジュールは、下記の通りです。
- 2022年10月:東京海上日動ビル本館および新館解体着工
- 2024年12月:新・本店ビル建築着工
- 2028年度:新・本店ビル竣工
東京海上ビル本社建て替えのポイント
ここでは、東京海上ビル本社建て替えのポイントについて解説します。
国産木材使用の世界最大規模建築

新・本店ビルでは構造部材や床材(CLT:直交集成板)にも国産木材をふんだんに用い、“世界最大規模”の木材使用量を目指しています。
木材活用により建設時のCO₂排出量を従来ビルより約3割削減する効果も見込まれており、再生可能エネルギー導入や高効率設備と合わせて脱炭素化に積極的に取り組む構えです。
また木材利用は国産林業の活性化や地方創生、循環型経済の構築にも寄与するとされ、建築意匠と社会的意義を両立させる設計として注目されています。
丸の内エリア初・全館免震構造
新・本店ビルは、地上部分が全館免震構造となっています。これは、丸の内エリアの高層オフィスビル計画においては初の取り組みです。これにより建物全体が揺れを吸収・軽減するため居住性・安全性が向上し、人的被害の軽減も期待されます。
さらに免震構造は建物寿命の延長や設備機器への負荷軽減といった長期的な耐久性の面でも有利とされ、災害リスクを抑えた拠点ビルとしての安定性を確保します。
屋上庭園のランドスケープ

屋上には緑豊かな庭園が設けられ、丸の内中心部の喧騒から離れて静寂と癒しを提供するランドスケープ空間が創出されます。またビル中央部には中庭(パティオ)、外周には樹木を配置し、皇居外苑との緑の連続性を意図した設計を採用しているのが特徴です。
これによって都市の中に自然を調和させ、季節の移ろいや木の温もりを身近に感じられる “ヒューマンスケール” の環境を目指します。
まとめ
2028年に誕生する新・東京海上ビルは、環境性能や耐震性、安全性を兼ね備えた「次世代型の本店ビル」です。国産木材の積極活用は脱炭素社会の実現や林業振興に貢献し、全館免震構造によって災害に強い都市拠点を築きます。
また屋上庭園や緑地空間で、都市と自然の調和も実現する予定です。東京・丸の内の新たな象徴として、今後大きな注目を集めると予想されます。