大和ハウス工業が米国初の大規模物流施設を完成、テキサス州で総面積37万㎡の拠点開設

大和ハウス工業株式会社(大阪市北区、社長:大友浩嗣氏)は、米国の大手不動産開発会社であるTrammell Crow Companyと連携し、テキサス州ヒューストン郊外に大規模な物流センター「Blue Ridge Commerce Center」を建設完了したと9月5日に発表しました。
米国市場への本格参入
この度完成した施設は、同社にとって米国で手がける初めての大型物流開発案件となります。2025年8月25日(現地時間)に工事が完了し、9月2日に竣工式が行われました。
総面積37万平方メートルを超える敷地に5棟の施設を配置し、建物の総賃貸面積は約12万5千平方メートルに達します。複数の企業が入居可能なマルチテナント方式を採用しています。
立地の優位性と施設概要
建設地はヒューストン中心街から南西に約34キロメートルの距離に位置し、主要環状道路「Beltway 8」まで約3.2キロメートル、当該物件からは「バーバーズ・カット・ターミナル」まで約58キロメートル、「ジョージ・ブッシュ・インターコンチネンタル国際空港」まで約67キロメートルと、陸・海・空すべての輸送網への良好なアクセスが確保されています。
施設はヘルスケア、石油・エネルギー、食品・消費財、製造業、物流業など多様な業種に対応できるよう設計されています。両面トラックバースや専用事務所、1,023台分の駐車場を完備し、物流機能だけでなくショールームや店舗としても活用可能です。
環境配慮と市場展望
建設された全5棟は国際的な環境性能評価制度「LEED Certified」の認証取得を予定しています。「ビルディング2」には太陽光発電設備を設置し、発電した電力を施設内で消費することで入居企業の脱炭素経営を支援します。
テキサス州ヒューストンは2010年から2023年までの13年間で約150万人の人口増加を記録し、全米トップクラスの成長率を誇ります。施設立地のフォートベント郡も高い人口増加率を維持しており、Eコマースや第三者物流サービスの需要拡大により、物流施設への需要は継続的に高まると予測されています。
同地域は米国における石油・エネルギー産業の中心地で、世界最大規模の医療研究拠点「Texas Medical Center」も立地し、多様な産業での就業機会が豊富な環境となっています。
大和ハウスの海外展開戦略
同社は米国市場で戸建住宅、賃貸住宅、商業施設、事業用施設など各分野での多角化を進めており、2025年度の売上高は約7,000億円を計画しています。今回の物流施設開発はその戦略の重要な一環で、今後は米国に加えてASEAN諸国でも事業用施設の開発を加速していく方針です。
施設詳細
完成した5棟の建物は以下の構成となっています。
・ビルディング1:23,875平方メートル(3区画、両面バース)
・ビルディング2:14,643平方メートル(2区画、片面バース)
・ビルディング3:14,299平方メートル(4区画、片面バース)
・ビルディング4:32,613平方メートル(2区画、両面バース)
・ビルディング5:40,041平方メートル(1区画、両面バース)
鉄筋コンクリート造(一部鉄骨造)、平屋建てとなっています。
パートナーのTrammell Crow Companyは1948年設立のテキサス州ダラス本社の大手不動産開発会社で、世界的な不動産サービス企業CBREの完全子会社です。これまでに約3,000棟、総延床面積6,503万平方メートルの開発実績を持ち、現在約2.7兆円相当のプロジェクトが進行中です。
この大型物流施設の完成により、大和ハウス工業の米国事業展開は新たな段階に入ったと言えるでしょう。
出典情報
大和ハウス工業株式会社リリース,■当社米国初の大規模物流施設開発プロジェクト「Blue Ridge Commerce Center(ブルーリッジコマースセンター)」竣工,https://www.daiwahouse.co.jp/about/release/house/20250905163036.html