2026渋谷マルイ建て替え|日本初「本格的木造商業施設」設計施工を紹介

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トレンドワード:2026渋谷マルイ建て替え
「渋谷マルイ 建て替え」についてピックアップします。1971年の開店以来、渋谷のトレンド発信拠点として親しまれてきた渋谷マルイは、2026年に日本初の本格的木造商業施設として生まれ変わります。
本建て替え計画は、耐火木材の採用や多摩産材の活用により、サステナブルで環境負荷の低い都市型商業空間の実現を目指しているのが特徴です。建物概要や建て替えのポイントについて、詳しくチェックしてみましょう。
2026渋谷マルイ建て替え計画の基本情報

1971年に開店した渋谷マルイは、トレンドファッションを提供する存在として営業されてきました。そして2022年に一時休業し、「将来世代の未来を共に創る」の実現に向けて2026年に建て替えが完了します。
ここでは建て替え後の建築や店舗概要について、詳しく解説します。
建物概要
建て替え後の渋谷マルイの建物概要は、下記の通りです。
- 建物規模 : 地上9階、塔屋1階、地下2階
- 売場面積 : 2,800㎡
- 高さ : 最高部50.64m、軒高43.14m
- 敷地面積 : 839.33㎡
- 建設面積 : 704.85㎡
- 延床面積 : 6,850.16㎡(売場面積約2,800㎡)
- 構造 :(地上)木造、鉄骨造、(地下)鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄筋コンクリート造
- 用途 : 物販店舗、飲食店舗
- 建築主 : 丸井
- 設計者・監理者 : 三菱地所設計
- 施工者 : 戸田建設・住友林業共同企業体
- 着工 : 2023年10月02日
- 竣工 : 2026年02月末日予定
- 開業 : 2026年予定
アクセス・所在地
渋谷マルイの所在地は、「東京都渋谷区神南1-22」です。東急東横線・田園都市線、JR、東京メトロ銀座線・半蔵門線・副都心線、京王井の頭線「渋谷駅」から徒歩2分となっています。
設計|Foster+Partners・三菱地所設計

渋谷マルイ建て替えのリードデザイナーは、国際的設計組織である「Foster+Partners」です。1967 年にノーマン・フォスター氏により設立され、50 年以上にわたって環境に配慮したサステナブルな建築を生みだしている設計事務所です。
これまで世界 45 カ国以上で、都市計画、公共インフラ、空港、オフィスといった多様な
プロジェクトを遂行しています。
施工会社|戸田建設・住友林業共同企業体

渋谷マルイ建て替えの施工会社は、「戸田建設・住友林業共同企業体」です。とくに住友林業とは2019年から業務提携契約を締結しており、双方の強みを活かした空間プロデュース事業等に取り組んでいます。
具体的には商業施設などについて、地域特性やコンセプトに沿った空間を総合的にプロデュースし、付加価値を高めた施設を生み出します。住友林業グループの強みである建築の設計・施工のノウハウや資材調達力により、施設建築の一貫施工が可能になるのが特徴です。
2026渋谷マルイ建て替えのポイント
ここでは、2026渋谷マルイ建て替えのポイントについて解説します。
日本初!本格的木造商業施設

渋谷マルイは、「日本初の本格的な木造商業施設」として建て替えられます。具体的には構造の約60%に耐火木材等を使用することで、サステナブルな建築を実現します。
木材は成長の過程でCO2を吸収することから、製造過程でCO2を排出する鉄に比べて環境負荷をかけない素材です。そのため従来の鉄骨造より、約2000トンのCO2排出量を削減できます。
東京の木 多摩産材を活用した外装・内装

渋谷マルイの建て替えでは、東京の木・多摩産材が採用されています。地産地消により、木材の運搬にかかるCO2の削減を目指しています。

外装は木材の自然な風合いを活かしたデザインで、渋谷の中心でも柔らかな木の温もりを感じられる仕上がりになっています。

そして内装にも、無垢材が採用されています。館内の雰囲気を左右する「梁・柱」の木材については全部で4種類の木材が用意され、手触りや色味、加工具合を入念に検討されています。
東京都「中・大規模建築物の木造木質化支援事業費補助金工事支援」の取得

渋谷マルイの建て替えでは当初から国産木材を使用予定でしたが、コロナ禍や国際的な戦争の影響により価格が大きく値上がりし、予算計画に無理が生じていました。
しかし東京都では「多摩産材」を活用する事業に対して、補助金を交付しています。今回のプロジェクトでは本補助金を活用することにより、木材利用の促進と事業計画の両立が実現しました。
まとめ
2026年に竣工予定の渋谷マルイ建て替えは、日本初の本格木造商業施設として注目されています。多摩産材を外装・内装に活用することで、CO2排出量削減と地域資源の活用を両立しているのが大きな特徴です。
東京都の補助金も活用し、計画と予算の整合性を確保しています。設計・施工における先進技術や空間プロデュースの工夫も加わり、渋谷の中心に、自然の温もりを感じられる次世代型商業施設が誕生します。