国際ビル・帝劇ビル建替計画(仮称:丸の内3-1プロジェクト)とは|いつ閉館?建て替えのポイントを解説

目次
トレンドワード:「国際ビル・帝劇ビル建替計画」(仮称:丸の内3-1プロジェクト)
「国際ビル・帝劇ビル建替計画」(仮称:丸の内3-1プロジェクト)についてピックアップします。国際ビル・帝劇ビルは1966年の竣工から約56年間、演劇ファンの聖地として愛されてきた場所であり、2025年に閉館を迎えます。
本記事では、国際ビル・帝劇ビル建替計画の事業概要やコンセプトについて解説します。
「国際ビル・帝劇ビル建替計画」(仮称:丸の内3-1プロジェクト)とは|事業概要
ここでは、「(仮称)丸の内3-1プロジェクト(国際ビル・帝劇ビル建替計画)」の事業概要について、三菱地所や地方創生サイトの資料をもとに、わかりやすくご紹介します。

https://www.chisou.go.jp/tiiki/kokusentoc/tokyoken/tokyotoshisaisei/dai28/01_siryou1.pdf,都市再生特別地区(丸の内仲通り南周辺地区)都市計画(素案)の概要,参照日2025.9.22
所在地

「国際ビル・帝劇ビル建替計画」(仮称:丸の内3-1プロジェクト)の所在地は、東京都千代田区丸の内三丁目1番1号他です。最寄り駅はJR有楽町駅、東京メトロ有楽町線 有楽町駅で、それぞれ徒歩2分となります。
有楽町駅周辺は明治時代から、大手町や丸の内とともに国際ビジネス拠点の一角として形成され、行政、文化、情報発信の中心地となっているエリアです。国際ビル・帝劇ビル建替計画は、2023年に策定された「有楽町まちづくりビジョン」のうち、「都市再生特別地区(丸の内仲通り南周辺地区)」のA街区となります。
構造・規模

建物の構造は、下記をご参照ください。
建物 | 構造 |
---|---|
(仮称)丸の内3-1プロジェクト | 地下4階、地上29階(高さ約145m) |
低層部には帝国劇場と出光美術館、商業ゾーンが配置されるほか、6~29階にはハイグレードオフィスが整備されます。
面積
主な面積は、下記をご参照ください。
- 敷地面積:9,900㎡
- 延床面積:176,000㎡
着工日・竣工予定日
着工日や竣工予定日は、下記をご参照ください。
- 着工日:2025年(解体含む)
- 竣工日:2030年(予定)
なお、現在のビルの解体工事となる「仮称:丸の内3-1プロジェクト既存建物解体工事」の予定はこちらです。
- 閉館日:2025年3月
- 着工日:2025年4月1日
- 竣工日:2027年3月31日(予定)
ゼネコン|解体工事は大林組
「国際ビル・帝劇ビル建替計画」(仮称:丸の内3-1プロジェクト)の施工を担当するゼネコンはまだ発表されていませんが、解体工事の担当は大林組となっています。
「国際ビル・帝劇ビル建替計画」(仮称:丸の内3-1プロジェクト)のポイント
ここからは、「国際ビル・帝劇ビル建替計画」(仮称:丸の内3-1プロジェクト)の目的や再整備のポイントをご紹介します。
帝国劇場の再整備

https://www.chisou.go.jp/tiiki/kokusentoc/tokyoken/tokyotoshisaisei/dai28/01_siryou1.pdf,都市再生特別地区(丸の内仲通り南周辺地区)都市計画(素案)の概要,参照日2025.9.22
現在の国際ビル・帝劇ビルは、1966年の竣工から約56年間という長い期間活用されてきた施設であり、耐震対策の強化や防災対応機能の強化が求められていました。「国際ビル・帝劇ビル建替計画」(仮称:丸の内3-1プロジェクト)では、これまで2棟に分かれていた国際ビル・帝劇ビルの機能を1棟のビルに集約し、再整備を行います。
新しい帝国劇場の特徴としては、ロビー・ホワイエの機能を強化し、滞留スペースを大きく確保します。こうした社交場としての機能を持つ空間を創出することで、出逢いと交流の活性化を目指します。出光美術館には多目的室やレクチャーホールを新設し、子ども向けのプログラムなど体験型の発信を行い、国際競争力の強化を図る計画です。
皇居外延を一望できる低層屋上テラスの整備

https://www.chisou.go.jp/tiiki/kokusentoc/tokyoken/tokyotoshisaisei/dai28/01_siryou1.pdf,都市再生特別地区(丸の内仲通り南周辺地区)都市計画(素案)の概要,参照日2025.9.22
「国際ビル・帝劇ビル建替計画」(仮称:丸の内3-1プロジェクト)の低層部の一部には、低層屋上テラスが整備されます。低層屋上テラスは日比谷通りと皇居外苑に面した位置となり、都心にいながら豊かな緑を一望できるテラスとして活用される予定です。
低層屋上テラスにはデッキやガーデンのほか、イベントスペースも設けられます。劇場や美術館と連携したイベントの開催にも活用されます。
JR有楽町駅の東西をつなぐ「東西地下通路」の新設

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,都市再生特別地区(丸の内仲通り南周辺地区)都市計画(素案)の概要,参照日2025.9.22
「国際ビル・帝劇ビル建替計画」(仮称:丸の内3-1プロジェクト)では、東西地下通路を新設して、JRと地下鉄駅を接続し動線を強化します。また、丸の内駅から見やすい位置に地下鉄駅への動線を整備し、駅とまちの回遊性を向上させます。将来的には、KK線(東京高速道路)の上部空間とのアクセス性も向上させる見込みです。
この地下通路新設は、有楽町まちづくりビジョン策定委員会により2023年に公開された「有楽町まちづくりビジョン」に基づくもので、中長期的な事業として進められています。
「国際ビル・帝劇ビル建替計画」(仮称:丸の内3-1プロジェクト)の環境への取り組み
「国際ビル・帝劇ビル建替計画」(仮称:丸の内3-1プロジェクト)では、防災対応力の強化と環境負荷低減にも積極的に取り組んでいます。ここからは、本事業の防災対応と環境への取り組みについてご紹介します。
帰宅困難者支援(受入)施設の整備による防災対応力の強化

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,都市再生特別地区(丸の内仲通り南周辺地区)都市計画(素案)の概要,参照日2025.9.22
「国際ビル・帝劇ビル建替計画」(仮称:丸の内3-1プロジェクト)では、防災対応力強化の取り組みとして、帰宅困難者支援(受入)施設の整備が行われます。劇場とオフィスロビーで約780人の帰宅困難者が一時滞在できるスペースを確保するほか、地下の駅まち空間に約500㎡のスペースを確保します。
エネルギーの効率利用や熱負荷低減による環境負荷低減

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,都市再生特別地区(丸の内仲通り南周辺地区)都市計画(素案)の概要,参照日2025.9.22
「国際ビル・帝劇ビル建替計画」(仮称:丸の内3-1プロジェクト)は、本事業を含む地区計画である「丸の内仲通り南周辺地区」の計画内容として、環境負荷低減に向けた取り組みを推進します。A街区(本事業)に隣接する二重橋ビルと、丸の内仲通りを挟んだ有楽町ビル、新有楽町ビル、新国際ビル、新日石ビル、新東京ビルで利用する地域冷暖房施設(DHCサブプラント)を新設し、効率的なエネルギーネットワークを形成します。
熱負荷低減への取り組みとしては、中層部のオフィス部分で「ZEB Ready」(50%以上の削減)を達成するとともに、建物全体の一次エネルギー消費量は「ZEB Oriented」(30~40%以上の削減)を目指します。
皇居外苑とつながる「みどりのネットワーク」

https://www.chisou.go.jp/tiiki/kokusentoc/tokyoken/tokyotoshisaisei/dai28/01_siryou1.pdf
,都市再生特別地区(丸の内仲通り南周辺地区)都市計画(素案)の概要,参照日2025.9.22
「国際ビル・帝劇ビル建替計画」(仮称:丸の内3-1プロジェクト)では、周辺地域との「みどりのネットワーク」を形成します。本事業の低層屋上テラスに整備されるガーデンをはじめ、皇居外苑、丸の内仲通り、日比谷公園と、幅広く一帯につながる「みどり」による緑視率を向上させることで、空間の質を高める計画です。
みどりのネットワークは景観の向上だけでなく、緑陰空間の確保による暑さの緩和や、雨水貯留浸透(レインガーデン)による浸水被害対策などの環境対策にも活用されます。
まとめ
「国際ビル・帝劇ビル建替計画」(仮称:丸の内3-1プロジェクト)は、建設から約56年が経過した帝国劇場の建て替えプロジェクトです。KK線や有楽町など周辺地域の再開発も同時に行われているエリアであり、2030年の完成を予定しています。三代目となる新たな帝国劇場が日本のアートシーンをどのように活性化させていくのか、注目していきましょう。