【2025年版】建築士は英語で何と言う?一級・二級・略語・必要な英語力まで徹底解説

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Category:コラム建築
Tag:建築

著者:上野 海

建築士を英語で言うと「architect」ですが、実は一級・二級の区別や資格のニュアンスを表す表現などが異なります。さらに、海外で働きたい建築士や、外国人顧客とのコミュニケーションが必要な場面では、英語力がキャリアを大きく左右するとご存じでしょうか。

そこでこの記事では、建築士の英語表記・資格別の違い・英語力が求められる理由・実務で役立つフレーズやTOEICスコアの目安まで徹底解説します。

建築士は英語でどう表現する?

建築士の英語表現は、資格の有無や業務内容によって微妙にニュアンスが異なります。

まずは、建築士の基本的な表現から、カタカナ表記、略語、そして設計士との違いまで整理して解説します。

建築士の基本的な英語表記「architect」

結論から言えば、「建築士」は英語でarchitect(アーキテクト)と表現されます。

建築物や都市空間の設計を担う専門家を指し、国際的にも最も広く通じる単語です。以下に例文を掲載しました。

  • I’m an architect.
    (私は建築士です)
  • He became an architect after studying architecture at university.
    (彼は大学で建築学を学んだ後、建築士になりました)

たとえば、海外案件を担当する際には、自分の肩書を「licensed architect(有資格の建築士)」と補足すると信頼性が高まります。

また、Architectという言葉の根拠として、日本建築家協会(JIA)の海外版サイトには、The Japan Institute of Architectsという表現が用いられています。

建築士のカタカナ表記(アーキテクト/アーキテクツ)

「architect」をカタカナで表記するとアーキテクトが一般的です。なお、複数形の architects(アーキテクツ)は、建築事務所の名称などによく使われます。

建築士の略語(RA=Registered Architect など)

建築士を表す際には、次のように資格レベルや登録状況を略語で示すこともあります。

略語意味用途
RARegistered Architect国家登録済みの建築士
AIAAmerican Institute of Architects米国建築家協会の会員資格
RIBARoyal Institute of British Architects英国王立建築家協会の会員資格

日本の「一級建築士」「二級建築士」と同じ感覚で、海外では登録資格を示す略語が信頼の証になります。

建築家と設計士の英語の違い(architect / designer)

「建築士」と似た言葉に「建築家」「設計士」があります。英語では以下のように使い分けます。

  • architect:建築士(資格を持つプロフェッショナル)
  • designer:設計士(資格の有無を問わずデザインする人)
  • building engineer:建築技術者(構造・設備寄りの専門家)

就職や転職で「設計士」を英語で表現する場合は「designer(デザイナー)」が自然ですが、資格職としての信頼性を伝えたい場合は「architect」を使うことが必須です。

資格別の建築士の英語表記

建築士の資格は日本独自の制度ですが、英語で表現する場合には「一級」「二級」といった区分をどう伝えるかがポイントになります。

ここでは、資格ごとの表記方法と、海外の「registered architect」や「licensed architect」との違いを整理して解説します。

一級建築士は英語で「First-class architect」

日本の最高位資格である一級建築士は、直訳するとFirst-class architectと表せます。

ただし、この表現は日本特有の制度を英語化したものであり、国際的に公式な資格名として通じるわけではありません。そのため、履歴書や英文ポートフォリオに書く場合は、「Licensed First-class Architect in Japan」と記載するとわかりやすいです。

二級建築士は英語で「Second-class architect」

同じく日本特有の資格である二級建築士は、Second-class architectと表現されます。

戸建住宅や小規模建築を中心に活躍できる資格であり、海外には直接対応する制度は存在しません。英文で説明する場合は、「Licensed Second-class Architect in Japan(for small and medium-sized buildings)」と補足すると、外国人クライアントにも誤解なく伝わります。

海外資格との違い(registered / licensed architect)

海外では「一級・二級」という区分はなく、代わりに登録制や免許制が一般的です。代表的な表現は以下の通りです。

区分日本海外
一級建築士First-class architectLicensed Architect(国による免許制)
二級建築士Second-class architect該当なし(補足説明が必要)
海外資格共通Registered Architect / Chartered Architect

国際的に仕事をする場合、なるべく「first-class architect」よりも「Licensed Architect in Japan」と書いたほうが理解されやすいと覚えておきましょう。

建築士に英語力は必要?

日本国内で働く建築士にとって、英語は特に必須ではありません。

しかし、国際化が進む建設業界では、英語力があるだけで仕事の幅が大きく広がります。ここでは、英語が役立つ場面や国内需要の変化、頻出する建築関連の英単語について解説します。

英語が役立つ3つの場面(情報収集・外国人顧客・海外案件)

まず、建築士が英語を使うメリットは大きく3つあります。

  • 最新の建築情報を入手できる
  • 外国人クライアントへ対応できる
  • 海外プロジェクトへ参画しやすくなる

近年では、海外プロジェクトに参加する建築企業も増えていることから、英語の学習がビジネスに直結するケースが増えてきました。建築技術の国際化が進んでいるため、この機会に建築関連の英語知識を増やしてみてはいかがでしょうか。

国内需要でも英語が求められる理由

日本にいても、英語力を活かせる場面は少なくありません。以下に、役立つシーンを整理しました。

  • 外国人観光客向けのホテル・商業施設の設計
  • 留学生が多い大学キャンパスの建築計画
  • 外資系企業のオフィスビル設計

また、国土交通省の「インフラシステム海外展開戦略2025」でも、外国人との協働を前提とした建築人材育成が課題とされています。つまり、国内案件でも英語が話せる建築士は「選ばれる人材」 となるのです。

建築英語に出てくる頻出単語(design / blueprint / construction など)

実務では、専門用語を理解しているだけで大きなアドバンテージになります。以下は建築士が押さえておきたい代表的な英単語です。

英単語意味使用例
design設計design drawing(設計図)
blueprint青写真・設計図blueprint of the building(建物の設計図)
construction建設construction project(建設プロジェクト)
sustainable持続可能なsustainable architecture(持続可能な建築)
renovation改修house renovation(住宅の改修)

まずはこれらの基本単語を押さえておけば、メールや打ち合わせでもスムーズに対応できます。

建築英語を学ぶ方法

建築士としてキャリアを広げるには、英語力を効率的に伸ばすことが重要です。

ただ「一般英語」だけを勉強しても実務に直結しにくいため、建築に特化した学習法を組み合わせる必要があります。ここでは、参考書・実務フレーズ・オンライン活用まで具体的に紹介します。

建築系の英語参考書・教材

建築士が英語を学ぶ際は、専門用語や実務表現を学べる教材が効果的です。代表的な教材として以下があります。

一般的な英語教材に加えて、建築分野専用の教材を使うことで短期間で効率よく実務に直結させられます。

実務で使える英語フレーズ集

現場やクライアントとの打ち合わせでよく使う表現を覚えると、即戦力になります。

  • I’m an architect licensed in Japan.

(私は日本で資格を持つ建築士です)

  • Could you share the blueprint?

(設計図を共有していただけますか?)

  • We propose a sustainable design for this project.

(このプロジェクトには持続可能な設計を提案します)

こうした定型フレーズを暗記しておくと、会話力が足りなくても実務で対応可能 です。

オンライン英会話・海外建築メディアを活用する

実際に英語を使う機会をつくることも、英語学習の定着に欠かせません。

  • オンライン英会話

ビジネス英語専門コースや「建築業界向けレッスン」を選べば効果的

  • 海外建築メディア

ArchDailyやDezeenなどのニュースサイトを読むと、トレンドもキャッチできる

まとめ

ここまで「建築士 英語」をテーマに、表記の仕方から英語力の必要性、学習方法まで整理して解説しました。

まとめると、英語は建築士にとって「必須ではないがキャリアを大きく広げる武器」です。国内需要の変化や海外案件の増加を考えると、今から学び始める価値は十分にあります。

将来、海外事業に携わりたいと検討しているのなら、ぜひこの機会に建築系の英語学習をスタートしてみてください。