国土交通省が令和7年6月の建設工事受注を発表、受注総額11兆円超え元請が堅調推移

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国土交通省がまとめた「建設工事受注動態統計調査」(令和7年6月分)によると、6月の受注総額は11兆2,056億円となり、前年同月比で3.3%増加しました。増加は3か月ぶりとなります。元請受注が堅調に推移した一方、下請受注は減少が続いており、分野ごとの動きに違いが見られました。

元請受注は好調、下請は3か月連続減少

受注総額のうち、元請受注は7兆8,168億円で前年同月比11.4%増、9か月連続の増加となりました。対照的に、下請受注は3兆3,888億円で前年同月比11.6%減と、3か月連続で減少しています。

元請の増加が全体を押し上げた格好ですが、下請の減少が続いている点は注視が必要です。

発注者別の動向

元請受注を発注者別にみると、

・公共機関:2兆3,307億円(前年同月比8.0%増、7か月連続の増加)

・民間等:5兆4,861億円(同12.9%増、9か月連続の増加)

・公共・民間ともに増加が続いており、とくに民間の伸びが全体をけん引しました。

工事種類別の内訳

工事の種類ごとの受注額は以下のとおりです。

・土木工事:1兆8,478億円(同5.7%増、前月の減少から再び増加)

・建築工事:5兆50億円(同11.1%増、9か月連続の増加)

・機械装置等工事:9,640億円(同26.5%増、2か月連続の増加)

建築工事の堅調な伸びに加え、機械装置関連も大幅に増加しました。

業種別の動向

業種別では、総合工事業が5兆4,870億円で前年同月比5.9%増、16か月連続の増加でした。職別工事業は3,305億円で1.7%増と、前月の減少から増加に転じました。設備工事業は1兆9,993億円で32.6%増、7か月連続の増加と勢いを維持しています。

設備関連の伸びが顕著で、全体の増加傾向を後押ししています。

公共工事は2兆2,300億円、4か月連続増加

公共機関からの受注工事額(1件500万円以上)は2兆2,300億円で、前年同月比1.7%増、4か月連続の増加となりました。

発注機関別の内訳は次のとおりです。

・国の機関:4,175億円(同5.3%減、3か月連続の減少)

・地方の機関:1兆8,125億円(同3.4%増、6か月連続の増加)

地方の伸びが全体を支えており、とくに市区町村による教育・病院関連工事や道路工事が目立ちました。

民間工事は建築・設備分野が大幅増

民間等からの受注では、建築工事と建築設備工事(1件5億円以上)が1兆7,527億円となり、前年同月比30.5%増、9か月連続の増加となりました。

発注者別では、不動産業が4,930億円(同1.5%減)と減少した一方、運輸業・郵便業が3,192億円(同279.6%増)、情報通信業が703億円(同309.3%増)と大幅に増加しました。

工事種類別では、

・事務所:4,942億円

・住宅:4,273億円

・工場・発電所:3,842億円

が多く、不動産業による住宅、運輸業による事務所、製造業による工場・発電所の案件が目立ちました。

土木・機械装置工事も堅調

一方、民間の土木工事および機械装置等工事(1件500万円以上)は1兆816億円で、前年同月比24.0%増、9か月連続の増加でした。

工事種類別にみると、

・機械装置等工事:5,843億円

・鉄道工事:992億円

・その他の土木工事:978億円

が中心でした。発注者別では、製造業の機械装置工事(2,692億円)、電気・ガス・水道業の機械装置工事(1,942億円)、運輸業の鉄道工事(991億円)が多くを占めています。

まとめ

6月の建設工事受注は、元請の増加が全体を押し上げ、総額で3か月ぶりの増加となりました。公共・民間ともに堅調で、特に設備工事や情報通信関連の伸びが目立っています。一方で、下請受注は減少が続いており、業界の構造的な課題も示されています。

国土交通省は今後も定期的に統計を公表し、建設業界の動向把握に役立てるとしています。

出典情報

国土交通省リリース,建設工事受注動態統計調査報告(令和 7 年 6 月分)について,https://www.mlit.go.jp/report/press/content/kakuho2506.pdf