外構コンクリート費用削減の裏技9選!業者比較から交渉のポイントまで徹底解説

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Category:土木コラム

外構工事の中でもコンクリートは費用の大部分を占めるため、社内での予算承認やコスト管理に頭を抱える担当者の方も多いでしょう。「少しでも削減したいが品質は落とせない」「相見積もりのポイントがわからない」といった悩みもあるのではないでしょうか。

本記事では、外構工事発注において意外と知られていない、施工費用を賢く抑える方法を11選解説します。見込める削減効果や成功事例も併せて押さえましょう。

外構コンクリート工事の概要

昨今の建築資材価格高騰により、外構コンクリート費用は企業にとって喫緊のコスト課題です。ここでは、品質維持をクリアする予算管理手法を整理し、無駄を省く視点を解説します。

外構コンクリートの費用内訳

外構コンクリート費用の相場情報を収集するには、オンライン相場サイトや事例集のほか、相見積もりや業者ヒアリングで実データを集めると確実です。以下に、一般的なコンクリート外構工事の費用内訳をまとめました。

費用項目主な内容単価目安
(円/㎡)
備考
材料費生コンクリート、砕石、ワイヤーメッシュ、型枠材6,000〜10,000コンクリート打設費に含む場合も多い
人件費掘削・転圧、メッシュ敷設、打設、仕上げ作業2,000〜4,000職人の日当・作業人数・熟練度で変動
機材費重機賃借料(バックホー、ミキサー車、バイブレーター等)800〜1,500使用時間・機種で上下
型枠設置費木枠・目地材の設置1,000〜2,000型枠の材質(木製/樹脂製)で差異
残土処分費掘削による残土の運搬・処分1,000〜2,000産廃処分費、運搬距離で変動
養生費・諸経費養生シート、清掃費、現場管理費1,000〜2,000天候対策や保護マットの有無で変動

単価が極端な場合は、必要工数が省略されているか、不要なオプションが追加されている疑いもあります。㎡単価と一式見積もりを必ず照合し、掘削・砕石敷き・打設・仕上げ・養生など各工程の内訳も詳細に洗い出しましょう。

削減目標を設定するには

効果的な削減目標を設定するには、以下のステップを実践してみましょう。

  1. 業界平均や自社利益率、ROI/NPV分析などで適正コストを算出する
  2. コスト内訳とリスクマージンを踏まえた定量・定性メリットをバランス良く説明する
  3. 現状分析に基づきSMART目標を設定し、重点領域ごとに施策を紐付けて具体的な削減率プランを策定する

ROIやNPVなどの財務指標を活用し、工程別の削減メリットに加え、リスクや代替案も併せて提案しましょう。

費用削減の裏技9選

外構コンクリートのコストを抑えるには、材料選定から施工方法、発注タイミング、交渉戦略まで、多角的な視点で押さえる必要があります。ここでは、費用削減において意外と知られていない手法を紹介します。

①部分打ち+砕石を併用する

部分打ち+砕石併用では、必要箇所のみコンクリートを打設し、他の部分を砕石敷きとすれば材料費の大幅削減が可能です。タイヤ跡に限定してコンクリートを打つ場合、使用量を20〜50%抑えつつ、仕上がりの耐久性と美観を両立できます。また、施工時間の短縮で人件費削減も見込めるため、総工費を効率よく圧縮できます。

②再生骨材コンクリートを利用する

再生骨材コンクリートでは、解体コンクリートの再利用によって材料費を最大15%、輸送費を削減可能です。品質基準をクリアした骨材を選定し、セメント配合量を最適化すれば、耐久性を維持しつつコスト圧縮を実現します。環境負荷低減効果も期待できる手法です。

③プレキャスト製品を活用する

プレキャスト製品を活用すると、工場生産されたユニットを現場で組み立てるため、型枠設置や養生期間を大幅に短縮できます。結果、現場打ち工事にかかる人件費を約10%抑制可能です。また、品質管理された部材を一括導入できるため、工期短縮とコスト削減を同時に実現できます。

④施工前作業の一部をDIYする

施工前の簡易作業を自社または下請業者に分担させれば、外注費を5〜10万円程度削減できます。掘削や転圧などを内製化すれば、管理コストを抑えつつ工程効率の向上が可能です。

⑤規格を統一し大量発注する

規格を統一してサイズや形状を揃えた一括大量発注により、資材単価を10〜20%割引で調達可能です。まとめ買い割引を最大限に活用し、発注・検品の手間を削減することで、仕入れコストと管理コストを同時に抑制できます。

⑥閑散期・決算期に発注する

閑散期や決算期といった繁忙期を避けたタイミングで発注することで、業者の稼働率が低下し、5〜15%程度の値引きが見込めます。特に梅雨時期前後や決算直前は交渉余地が大きく、積極的に交渉を仕掛ければ、コスト圧縮とスケジュール調整の両立も図れます。

⑦施主支給・段階的施工

施主支給で資材を直接調達・持ち込みし、施工を複数フェーズに分割すれば、資材費を最大100万円以上削減可能です。フェーズごとに発注タイミングを調整してキャッシュフローを最適化し、過剰な在庫や余剰資材を防ぎます。

⑧直接契約する

直接契約では元請けや仲介マージンをカットし、仲介手数料分を直接業者へ還元できるため数%(数万円)程度のコスト削減が可能です。さらに、業者との連絡・調整がスムーズになり、品質管理や納期調整の柔軟性も向上します。

⑨海外調達や標準仕様化を検討する

東南アジアなどコスト競争力の高い地域から資材を調達し、形状や寸法を標準化することで、素材コストを5〜10%削減できます。大量発注によるスケールメリットと一括管理で、調達および運搬にかかるコストを効率化しましょう。

業者比較・選定のポイント

適切な業者選定はコスト削減の要です。選定する際には、以下3つのの観点で比較しましょう。

見積もりの内訳

材料費・人件費・機材費・諸経費など全項目の数量と単価を詳細に確認します。追加費用やオプションが「一式」でまとめられていないか注意し、根拠ある内訳を把握しましょう。

施工実績・保証・アフターフォロー

近隣施工事例の数、担当技術者の資格・受賞歴をチェックしましょう。施工後のひび割れ対応や保証期間、無償修復の範囲だけでなく、アフターフォロー体制の連絡先と対応スピードも比較ポイントとして挙げられます。

提案力・コミュニケーション力

地盤調査や排水計画などの段階でヒアリング力、コストダウン提案の具体性と実現性を見ます。問題点を的確に把握し、最適な代替案を示せる業者を選びましょう。

まとめ

外構コンクリートのコスト削減は、一つの手法だけでなく多角的なアプローチが不可欠です。本記事では、外構コンクリート費用の削減方法や業者を選ぶ際のポイントなどについて解説しました。

紹介した9の裏技を参考に、社内稟議や予算承認を円滑に進め、質の高い外構工事を効率的に実現してみましょう。