竹中工務店など7機関、月探査AIロボット群REDを文科省で展示開始、シミュレーター体験も

日本の月探査技術が注目を集めています。中央大学理工学部の國井康晴教授が統括する内閣府のムーンショット型研究開発制度による画期的なプロジェクトが、文部科学省で一般公開されることになりました。
最先端AI技術を駆使した月探査ロボット群
このプロジェクトの中核を担うのは、「未知未踏領域における拠点建築のための集団共有知能をもつ進化型ロボット群」という壮大な研究開発事業です。月面での居住環境構築を目指し、複数の機関が連携して取り組んでいる先端技術の成果が披露されます。
展示の目玉となるのは、月探査AI群ロボット「RED」の実機です。この革新的なロボットシステムは、従来の単体ロボットとは異なり、複数のロボットが協調して作業を行う集団知能を備えています。月面の厳しい環境下でも効率的に探査活動を実施できるよう設計されており、将来の月面基地建設において重要な役割を果たすことが期待されています。
実際に月面で活動した探査機も展示
さらに注目すべきは、2024年1月に実際に月面で活動を行った超小型月面探査ローバ「LEV-1」の地上モデルも同時展示されることです。このローバは既に月面での実証実験を完了しており、その技術的成果がREDの開発にも活かされています。
展示会場では以下の内容をご覧いただけます。
・開発中の月探査AI群ロボット「RED」の実機
・月面活動実績を持つ超小型探査ローバ「LEV-1」地上モデル
・宇宙環境対応の低電力FPGAモジュール等の研究機器
・月面への輸送・運搬用コンテナの模型
・AI・ロボット研究開発シミュレーターでの月探査疑似体験
・プロジェクト紹介や実験結果を紹介する映像資料
・日本の月探査史や将来構想を解説するパネル展示
2050年を見据えた月面開発構想
今回の展示では、単なる技術紹介にとどまらず、2050年までの長期的な月面開発ビジョンも紹介されます。月面の溶岩洞窟を活用した居住圏の拡大構想など、SF映画のような未来像が現実のものとなりつつあることを実感できる内容となっています。
このプロジェクトには、中央大学を中心として株式会社竹中工務店、兵庫県立大学、株式会社デジタル・スパイス、宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所、産業技術総合研究所、東京農工大学の計7機関が参画しており、産学官連携による総合的な研究開発体制が構築されています。
無料で観覧可能な貴重な機会
展示期間は2025年5月27日から7月4日までの約5週間で、土日祝日を除く平日に文部科学省新庁舎2階のエントランスで開催されます。入場は無料となっており、どなたでも気軽に最先端の宇宙技術に触れることができる貴重な機会です。
月探査技術の現在と未来を体感できるこの展示は、宇宙開発に関心を持つ方々にとって見逃せないイベントとなるでしょう。日本の宇宙技術の実力と将来への展望を直接確認できる絶好の機会として、多くの来場者が期待されています。
出典情報
株式会社竹中工務店リリース,内閣府ムーンショット型研究開発制度プロジェクト「未知未踏領域における拠点建築のための集団共有知能をもつ進化型ロボット群」文科省庁舎で月探査 AI 群ロボットと月ミッション構想を紹介,https://www.takenaka.co.jp/news/2025/05/01/pdf/20250527_Release_tenji.pdf