図面を空間に配置して確認+現場での判断・準備を支援する2次元図面のMR表示を実現|深堀り取材【毎月15・30日更新】

プロノハーツ(長野県塩尻市:代表取締役藤森匡康)では、VRによる設計レビューで好評を得た「pronoDR」シリーズの新ラインとして2次元CAD図面の活用に特化したアプリケーションである MR 図面ビューア「pronoDR+Draw」の提供を開始した。
◇pronoDR+推奨スペック
・MetaQuest3(単独で活用可能)
・CAD対応フォーマット:DXF(.dxf,.DXF)

2次元図面の現場活用に特化+紙では印刷できない大きな図面も現場の空間に表示可能

「pronoDR+Draw」は、2次元図面を現実空間に実寸大で表示し、自由に配置することができる。紙では印刷できない大きな図面も、現場の空間に表示可能だ。設計と現場のスケール感を一致させた上で、従来は不可能だった視点での確認や検証が行える。

「pronoDR+Draw」は、これまで3次元モデルを中心に展開してきたpronoDR+シリーズの中で、2次元図面の現場活用に特化した新しいアプローチを担う製品となっている。図面を現実空間に表示するという体験を通して、これまでモニターや紙では得られなかった空間的な把握や実寸での検証を可能にすることによって、設計・製造現場における図面の使い方をアップデートし、より多くの工程・役割での活用が期待されている。

今後は、これまでの「pronoDR」が展開してきた3次元レビュー領域に加え、2次元図面の活用という新たなニーズにも応えることで、現場DXを支援するシリーズへと進化を続けていく。

現場空間と図面を重ねたレイアウト確認+図面をガイドとした設置作業の下準備が実現

BIMなどの3次元CADによる設計が進む一方で、最終的な確認や検討の場面では今も2次元図面が多く使われている。特に大型設備などの配置検討では、「図面を実寸で見たい」「空間と重ねて確認したい」といったニーズが根強く存在している。

「pronoDR+Draw」は、こうした声に応える形で、図面をそのまま現実空間に置いて確認するという新しい視点を提供するMRアプリケーションだ。
紙では不可能だったサイズの図面を実寸で空間に表示し、機器や構造物と重ね合わせることで、配置検討や位置合わせといった作業をより直感的に行うことができる。図面を固定表示した状態で、実際の作業現場に合わせて実物を配置していくことで、設置前の準備や現場での段取り確認などにも活用可能だ。これまで見落とされがちだった2次元図面の現場での使い方に焦点を当てることで業務プロセスに新たな選択肢をもたらす。

想定される活用シーンとしては、現場空間と図面を重ねたレイアウト確認の実現があげられる。実寸大の図面を床面などに MR表示し、設備や機器の配置をその場でシミュレーションが可能だ。具体的には、紙では困難だった大判図面での空間検証が、手軽に行えるようになる。


図面をガイドとした設置作業の下準備ができる。表示された図面に合わせて実物を配置することで事前の仮合わせや段取り確認が可能だ。メジャーでの測定や紙図面の貼り出しが不要になり、作業負担を軽減する。

図面を実寸表示でMR空間に展開+位置・角度を自由に配置・固定+自動スケーリング機能

「pronoDR+Draw」の特長を列記してみよう。

図面を実寸表示でMR空間に展開する。DXF形式の図面を現実空間に1:1スケールで表示可能で、大型設備の配置検討や床面への図面展開も紙では実現できなかったスケールで再現できる。

図面の位置・角度を自由に配置・固定できる。現実空間上で、図面を任意の位置・角度に固定表示でき、床面や壁面などさまざまな場所での設置イメージ検証に対応する。複数の図面を連続して配置したり、繰り返し位置調整を行うことも可能だ。

A3サイズへの自動スケーリング機能を搭載している。実寸だけでなく、A3用紙サイズへの自動スケーリングにも対応する。図面の印刷なしで何枚でも切り替えて確認でき、設計・製造の現場での柔軟な活用が可能だ。

線や背景の表示スタイルを自在にカスタマイズできる。線の色や背景色の変更に対応しており、黒背景+白線といった2次元CADで馴染みのある配色にも設定可能だ。背景は「表示/半透明/非表示」の3モードを切り替えて使用シーンに応じた見やすさを実現している。