【2025年最新版】コリンズとテクリスの違いとは?登録方法・実績確認・ログインできないときの対処法まで解説

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著者:上野 海

建設業界では、公共工事の入札や技術者のキャリア管理を行う際に「コリンズ」と「テクリス」という2つのシステムが使われています。しかし、機能や目的、登録対象の違いがわかりづらく、どちらを使えばよいのか迷う方も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、コリンズとテクリスの違いを解説したのち、それぞれの登録方法やログインできない場合の対処法、実績確認・検索方法についてわかりやすく紹介します。

コリンズとテクリスの違いとは?

「コリンズ」と「テクリス」は、どちらも技術者情報を管理する国土交通省系のシステムです。(参考:コリンズ・テクリス公式サイト

しかし、役割や用途が次のように異なります。

項目コリンズ
(CORINS)
テクリス
(TECRIS)
管轄国土交通省(中央)建設業振興基金(実質運用)
登録対象建設業者・技術者技術者本人+元請業者
主な目的技術者の入札用実績確認技術者のキャリア記録・継続学習管理
利用場面入札/実績証明教育/能力評価/継続教育
登録義務必須(公共工事入札時)任意(導入企業のみ)
連携テクリスと一部連携コリンズと一部連携あり

また上記のなかでも、特に混同されやすい3つのポイントを解説します。

利用目的の違い【入札かキャリア管理か】

まず利用目的の違いとして、コリンズは「公共工事の入札時に技術者の実績を確認するため」に利用する一方で、テクリスは「企業内でキャリアや教育履歴を管理するため」に使われます。

たとえば、公共工事を落札するためには、元請企業が技術者の過去実績をコリンズに登録し、入札書類に添付しなければなりません。

対して、CPD(継続教育)の進捗管理や社内評価を行う企業の場合には、テクリスを用いて各技術者のキャリアを社内管理するといった使い方をするのが特徴です。

登録主体の違い【誰が登録するのか】

コリンズとテクリスは、誰が登録作業を実施するのかという部分にも違いがあります。以下に登録主体の違いを整理しました。

項目コリンズテクリス
登録者元請企業(代理登録)技術者本人(自己登録)
管理者企業が管理・更新本人が入力、企業が承認
登録方法書類提出・電子証明書ありオンライン登録+企業コード入力
更新頻度工事完了ごと・必要時随時(本人or企業による)

システムごとに登録の主導者が違うため、次のように申請にかかる手間や必要な情報も変わってきます。

  • コリンズ| 技術者を現場に配置する建設業者(元請企業)が代理で登録
  • テクリス| 技術者本人がマイページを作成し、企業がそこに紐づく形で管理

コリンズは「企業主体で管理」だけですが、テクリスは「本人主体で自己管理」と「企業が紐づけて支援する」という2つの登録・管理が必要であると覚えておきましょう。

実績データの使われ方の違い【発注者向けか社内用か】

コリンズとテクリスは、実績データの使い道が次のようにまったく違います。

  • コリンズ| 発注機関(国・自治体など)が、技術者の信頼性を確認するために閲覧
  • テクリス| 所属企業や元請が、スキル評価・継続教育(CPD)記録のために管理・参照

たとえば、ある技術者が過去に5件の公共工事を担当したとします。

まずコリンズでは、5件分の工事名称・発注者・担当内容を企業が専用サイトに入力・証明し、発注者に提出します。対してテクリスでは、本人が取得した資格(例:1級土木施工管理技士)やCPD受講履歴を記録し、社内評価や昇進資料として活用されます。

コリンズの登録手順・ログイン方法

コリンズに登録・ログインするためには、事前に以下に設定が必要です。

  • 技術者情報
  • ICカード(電子証明書)の取得
  • 動作環境の確認

コリンズは一般的なWebサービスと異なり、国交省の公的システムとしてセキュリティが強化されているため、やや特殊な手続きが求められます。参考として以下に、登録の流れをまとめました。

手順内容
STEP1CIIC公式サイトにアクセスする
STEP2「新規登録」画面で企業情報・技術者情報を入力する
STEP3電子証明書を用いて認証を行う(ICカードが必要)
STEP4必要書類(資格証の写し、従事証明書など)をアップロードする
STEP5登録内容を確認・送信する(1〜2営業日で完了通知)

参考:コリンズ・テクリス「ご利用の流れ」

やや難しいと感じられるかもしれませんが、建設業者として公共工事に携わるうえで避けては通れない手続きです。登録方法を理解し、早めに体制を整えておくことが実務効率と信頼性の向上につながります。

コリンズにログインできないときの対処法

コリンズにログインできないときは、「ブラウザ環境」「電子証明書」「パスワードの有効性」の3点を確認しましょう。なぜなら、次のような原因が考えられるためです。

  • ブラウザが対応していない
    → Microsoft EdgeやChromeの設定によっては正常に動作しないことがある
  • 電子証明書が正しく読み込めていない
    → ICカードリーダーの接続不良、証明書の期限切れなど
  • ログインID・パスワードの入力ミス or ロック
    → 数回間違えるとアカウントロックになる場合あり

環境設定やICカードの状況を見直すことで、スムーズに復旧できる場合がほとんどです。ひとつずつ確認しながら、何が問題なのかを見つけていきましょう。

技術者の実績確認方法【検索方法】

コリンズに登録された技術者情報は、発注者や登録企業が「検索機能」を使って過去の実績や資格を確認できます。たとえば、次のような条件を用いて検索できます。

  • 技術者名(漢字・カナ)
  • 所属企業名・企業番号
  • 保有資格(例:1級建築施工管理技士など)
  • 経験年数・担当工事種別
  • 工事名や発注者名(任意入力可)

テクリスの申請や確認は、業務中に頻繁に発生するため、社内でのチェック体制を構築し、最新の登録情報が反映されているかを定期的に確認しましょう。

テクリスの登録・検索方法

テクリスは、登録主体は企業ではなく、基本的に技術者本人がアカウントを作成し、企業がその情報を承認・補足する仕組みとなっています。以下に登録の手順をまとめました。

ステップ内容
STEP1テクリス公式サイトにアクセスする(TECRIS公式ページ
STEP2「新規登録」からアカウント作成する(氏名・生年月日・連絡先等)
STEP3CCUS IDの紐付け、本人確認の入力・提出する
STEP4技術者自身の資格・経歴・講習履歴を入力する
STEP5所属企業を登録し、企業コードで申請する

なお、テクリスにも検索機能が用意されており、次の情報で検索が可能です。

  • 技術者名(漢字・カナ)
  • 所属企業名・事業者コード
  • 保有資格(例:1級施工管理技士)
  • 教育履歴(CPD記録、講習参加履歴)
  • 登録日・最終更新日 など

技術者の将来にも役立つシステムですので、登録と検索の仕組みを正しく理解しておきましょう。

建設業者が使う際の注意点

建設業者がテクリスを活用するさいには、以下のポイントに最新の注意が必要です。

  • 本人登録との連携
  • 承認フロー
  • 情報の正確性

テクリスは「技術者本人のキャリア管理」を主軸にしているため、コリンズのように企業主導で一括登録するシステムではありません。本人が登録した情報を「承認・追記する側」に回るため、次のようなトラブルが起こることもあります。

注意点発生する理由対策
情報の未承認技術者が入力しても、企業が承認しなければ正式登録とならない定期的に「申請一覧」を確認・承認
CPD記録の反映漏れ講習受講後の更新を怠ると記録が反映されない担当者を決め、月次で更新チェック
所属企業コードの誤り異なる企業コードで登録すると検索に表示されない初期登録時にコードの統一を徹底
登録完了後の放置一度登録すればOKと思いがちだが、資格更新や異動がある年1回以上の見直しルールを社内化

テクリスの運用は「本人任せ」にせず、建設業者側も継続的に関与して情報を補完・維持する姿勢が欠かせません。

コリンズとテクリスについてよくある質問【FAQ】

コリンズとテクリスはどちらに登録すればいいの?

公共工事の入札に関わるなら「コリンズ」、社内でのキャリア管理やCPD記録を重視するなら「テクリス」への登録が適しています。両方のシステムは目的が異なるため、用途に応じて使い分けるのが基本です。

コリンズ登録ができない・反映されないのはなぜ?

原因として考えられるのが、ICカード(電子証明書)の期限切れ、入力ミス、添付書類の不足などです。登録後に反映されない場合は、審査中か入力情報に不備がある可能性があります。国交省CIICのサポートページや操作マニュアルを確認しましょう。

個人事業主でも登録できる?

コリンズもテクリスも、個人事業主として技術者登録できます。ただし、コリンズは発注者向けの実績証明システムのため、必要に応じて証明書類の準備が求められます。また、テクリスは自身でキャリア管理を行う場合に有効です。

なぜ登録しないとダメなの?

コリンズは入札要件として登録が必須な場合も多く、未登録だと公共工事の参加資格を満たせません。テクリスは法的義務はありませんが、元請企業からの要請や人材評価・教育のために活用される場面が増えています。信頼性や実務対応力を示すためにも重要だと覚えておきましょう。

まとめ

コリンズとテクリスは似ているようで、用途・登録方法・活用場面がまったく異なるシステムです。

また建設業界では、両方のシステムを活用し、技術者の信頼性や企業の透明性を高めていくことが重要となります。登録手順や検索の方法がわからない場合は、CIICや建設業振興基金の公式サイト、または専門サポートサービスの活用を検討しましょう。