国土交通省調査、建設業許可業者数が2年連続増加し48万社超える、業界回復の兆しか

国土交通省は5月16日、令和6年度末(令和7年3月末時点)における全国の建設業許可業者数の調査結果を発表しました。調査によると、建設業許可業者数は前年度から4,317社(0.9%)増加し、483,700社となりました。

増加傾向が継続
国土交通省では、建設業に許可制度を導入した昭和47年度から毎年3月末時点での全国の建設業許可業者数を調査し、その動向を把握しています。
今回の調査結果によれば、建設業許可業者数は平成30年度末以降、増加傾向にありました。令和4年度に一時的に減少したものの、令和5年度、令和6年度と2年連続で増加していることが明らかになりました。
業界の動向を示す重要指標
建設業許可業者数は、建設業界の活動状況を示す重要な指標の一つです。この2年連続の増加は、建設需要の持続や業界の活性化を反映していると考えられます。
特に注目すべき点は、新規業者数と廃業等業者数のバランスです。令和6年度の新規業者数は16,164社、廃業等業者数は11,847社となっており、新規参入が廃業を上回っていることが増加の要因となっています。
過去からの推移
許可業者数の推移をさかのぼってみると、平成11年度末には600,980社だった許可業者数は、その後長期的に減少傾向を示していました。平成21年度末に一時的に513,196社まで回復したものの、再び減少し、平成29年度末には464,889社まで落ち込みました。
しかし平成30年度末からは増加に転じ、令和3年度末には475,293社、令和4年度末には一時的に474,948社と減少したものの、令和5年度末には479,383社、そして今回の令和6年度末には483,700社にまで回復しています。
業界環境の変化
この許可業者数の増加は、建設業界を取り巻く環境の変化を反映していると考えられます。国の施策による公共工事の安定的な発注や、近年の災害復旧・防災・減災対策、インフラ老朽化対策などの需要が影響している可能性があります。
また、建設業の働き方改革や生産性向上に向けた取り組みも進んでおり、業界のイメージ改善や新規参入のしやすさにつながっている面もあるでしょう。
今後の展望
建設業は社会インフラの整備・維持に不可欠な産業です。許可業者数の増加は、業界の持続可能性という観点からも重要な動きといえます。
今後も、デジタル化の推進や担い手の確保・育成などの課題に対応しながら、建設業界がどのように発展していくか注目されます。特に、人口減少社会における労働力確保や、環境問題への対応など、業界が直面する課題は少なくありません。
国土交通省では、今回の調査結果の詳細を別添資料として公開しており、業界関係者や研究者などによる分析が進められることになります。
業界動向を示す重要指標の推移
令和6年度末における全国の建設業許可業者数は483,700社となり、前年度から4,317社(0.9%)増加しました。平成30年度末以降の増加傾向が継続しており、令和4年度に一度減少した後も2年連続で増加しています。
この結果は、建設業界の現状を示す重要なデータとして、今後の政策立案や業界の動向予測に活用されることが期待されます。建設業は国の基幹産業として、引き続き重要な役割を担っていくことでしょう。
出典情報
国土交通省リリース,全国の建設業許可業者数は2年連続で増加~令和6年度末の建設業許可業者数調査の結果~,https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001888996.pdf