国土交通省発表、建設受注増加と訪日観光回復の最新経済動向、建設・交通・観光の現状

2024年12月の建設工事受注高(元請)は6兆9,771億円で、前年同月と比べて16.3%増加しました。このうち、公共機関からの受注は1兆7,220億円(前年比4.6%増)、民間からの受注は5兆2,551億円(前年比20.8%増)でした。下請受注高も3兆8,112億円となり、前年より24.4%増加しています。

住宅建設の状況

2024年12月の新設住宅着工戸数は62,957戸で、前年同月と比べて2.5%減少しました。内訳を見ると、持家は17,821戸(前年比4.6%増)、貸家は26,424戸(前年比2.1%増)、給与住宅は530戸(前年比44.8%増)、分譲住宅は18,182戸(前年比14.7%減)でした。

地域別では、東京圏の新設住宅着工戸数が21,355戸(前年比12.2%減)、名古屋圏が5,997戸(前年比7.5%増)、大阪圏が10,351戸(前年比12.8%増)、その他の地域が25,254戸(前年比1.0%減)となっています。

交通分野の動向

・旅客輸送の状況

2024年11月のバスの輸送人員は3億1,260万人(前年比1.1%減)、タクシーの輸送人員は6,838万人(前年比13.1%減)でした。

鉄道では、2024年10月のJRの輸送人員が7億5,478万人(前年比3.2%増)、民鉄が12億6,746万人(前年比4.2%増)と増加傾向にあります。

2024年12月の航空輸送では、国内線の利用者が867万人(前年比6.1%増)、国際線の利用者が137万人(前年比16.2%増)と回復が見られます。

・貨物輸送の状況

2024年11月の貨物営業用自動車の輸送量は2億1,068万トン(前年比2.8%減)でした。一方、宅配便の取扱個数は4億511万個(前年比0.7%増)と微増しています。

鉄道貨物は348万トン(前年比5.5%増)、内航海運では貨物船が1,586万トン(前年比1.4%減)、油送船が849万トン(前年比2.0%増)となっています。

2024年12月の航空貨物輸送量は、国内線が6.2万トン(前年比11.1%増)、国際線が13.9万トン(前年比12.3%増)と大幅に増加しました。

観光分野の動向

・インバウンドの回復

2025年1月の訪日外国人数は378万人で、前年同月比40.6%増となりました。国・地域別では、韓国が97万人(前年比12.8%増)、中国が98万人(前年比135.6%増)、台湾が59万人(前年比20.5%増)、香港が24万人(前年比30.8%増)と、特に中国からの訪問者が大幅に増加しています。

一方、日本人の海外旅行者数は91万人(前年比8.8%増)でした。

・宿泊状況

2024年12月の延べ宿泊者数は5,582万人泊(前年比6.3%増)で、このうち外国人は1,529万人泊(前年比21.9%増)となり、全体の27.4%を占めています。

2024年10~12月期の日本人国内旅行消費額は6兆4,366億円(前年比14.1%増)、訪日外国人旅行消費額は2兆3,108億円(前年比37.3%増)と、国内外ともに旅行需要が拡大していることがわかります。

建設・交通・観光の最新動向

国土交通月例経済報告によると、建設分野では民間を中心に受注が増加し、交通・観光分野では国内外の人流・物流が回復傾向にあることがわかります。特に訪日外国人の増加が顕著で、観光関連消費の拡大が見られます。

出典情報

国土交通省リリース,「国土交通月例経済(令和7年2月号)」,https://www.mlit.go.jp/toukeijouhou/getsurei/r07/02/overview.pdf