大成建設、環境分野で快挙 CDP気候変動で最高評価を獲得、3年連続Aリスト入り

大成建設株式会社(社長:相川善郎)は国際環境非営利団体CDPから気候変動対策において最高評価となる「Aリスト企業」に選定されました。これは同社にとって2022年から3年連続の快挙となります。建設業界において環境への取り組みを積極的に進めている同社の姿勢が高く評価された形です。

CDPとは何か?

CDPは環境問題に関心の高い世界の機関投資家や主要購買組織からの要請に基づき活動する非営利団体です。企業や自治体に対して、以下のような環境問題への取り組みについて情報開示を求め、その対策を促進することを主な活動としています。

・気候変動対策

・水資源保護

・森林保全

毎年、CDPは世界中の企業から提出された環境情報を詳細に分析し、その情報開示の質と環境対策の進捗状況を厳格な基準で評価しています。この評価において最も優れた取り組みを行っているリーダーシップレベルの企業のみが「Aリスト企業」として認定されるため、この称号は企業の環境への取り組みが国際水準で極めて優れていることを示す重要な指標となっています。

大成建設の環境への包括的な取り組み

大成建設では、気候変動が事業に与える影響を重要な経営課題の一つとして位置づけ、経営戦略の中核に環境問題への対応を組み込んでいます。同社は気候変動によるリスク分析とその対応策の検討結果を経営計画に具体的に反映させ、環境と経済の両立を目指した事業運営を行っています。

さらに、情報開示においても先進的な姿勢を示しており、CDPをはじめとして、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)やTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)といった国際的な枠組みに対応した環境関連情報の積極的な開示を進めています。こうした透明性の高い情報開示は、ステークホルダーからの信頼獲得にもつながっています。

持続可能な未来に向けた具体的な目標と取り組み

大成建設はグループ理念「人がいきいきとする環境を創造する」のもと、環境方針およびグループ長期環境目標「TAISEI Green Target 2050」に基づいて「持続可能な環境配慮型社会の実現」を目指しています。

この目標達成に向けて、同社は以下の三つの重点領域で具体的な取り組みを推進しています。

・カーボンニュートラル:温室効果ガスの排出量と吸収量をバランスさせて実質ゼロを目指し、省エネルギー技術の開発や再生可能エネルギーの活用、カーボンオフセットの推進、サプライチェーン全体での排出削減などを進めています。

・サーキュラーエコノミー:循環型経済の実現に向けて、資源を可能な限り長く有効活用する仕組みを構築し、建設廃棄物の削減・リサイクル率の向上、環境負荷の少ない材料の使用促進、建物の長寿命化技術の開発などに取り組んでいます。

・ネイチャーポジティブ:自然環境へのプラスの影響を生み出すため、生物多様性に配慮した設計・施工、緑化技術の開発、自然環境の再生・創出プロジェクトなどを積極的に展開しています。

これらの取り組みを通じて、大成建設は建設業の枠を超えた環境先進企業としての地位を確立しつつあります。

情報開示の国際的枠組み

なお、本文中に登場する主な情報開示の枠組みについては以下の通りです。

・TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース):

気候関連リスクが企業に与える、または与える可能性のある定量的な財務情報の開示を勧告する国際的な枠組みです。投資家が気候変動リスクを適切に評価できるよう、一貫性のある情報開示の促進を目指しています。

・TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース):

企業の自然環境に関連する依存関係、影響、リスク、および機会を特定、評価、管理、開示するための枠組みを構築し、その開示を求める比較的新しい国際的な取り組みです。生物多様性や生態系サービスに関する財務リスクと機会の透明性向上を目的としています。

大成建設の今回の評価は、同社が持続可能な社会の実現に向けて、環境情報の透明性確保と気候変動対策に積極的に取り組んでいることの表れであり、今後も建設業界における環境対応のリーディングカンパニーとしての役割が期待されています。

出典情報

大成建設株式会社リリース,CDP2024の気候変動分野において、3年連続最高評価の「Aリスト企業」に選定されました,https://www.taisei.co.jp/about_us/wn/2025/250228_10325.html