大成建設、建設現場のDX推進、監視カメラ設置・盛り替えアタッチメントBuildEYEを開発

大成建設株式会社(相川善郎社長)は、「生産プロセスのDX」推進の一環として、建設現場の遠隔監視カメラシステム「BuildEYE」の普及を加速するための専用治具を開発しました。この治具は、3タイプ5種類のアタッチメントとUSBアダプターで構成され、日々変化する建設現場でカメラの設置・盛り替えを効率化します(特許出願中)。

専門企業との共同開発

カメラ用アタッチメントは共和電子株式会社(馬場義勝代表取締役)と、仮設電源向けUSBアダプターは株式会社スズデン販売(鈴木昇代表取締役)とそれぞれ共同開発しました。これらの製品は建設業だけでなく、プラント業界や生産施設など、様々な分野での活用が期待されています。

開発の背景

大成建設は2024年6月、デジタルツールを活用した施工管理システム「T-SearchX」の一部として「BuildEYE」を開発し、現場管理の効率化を進めてきました。

しかし、建設現場では作業状況の変化に応じてカメラを頻繁に移動させる必要があり、市販の設置治具では仮設資材への取り付けに手間がかかります。また、現場の仮設電源は防水仕様のコネクタが多く、一般的なUSBアダプターでは接続が困難でした。

BuildEYEシステムの概要

BuildEYEは「T-SearchX」の主要ツールとして開発された遠隔監視Webカメラシステムです。建設現場に複数の高性能Wi-Fiカメラを設置することで、いつでもどこからでも現場状況を確認でき、従来人手に依存していた施工管理業務の効率化を実現します。

なお、大成建設は「情報処理の促進に関する法律」に基づく「デジタルガバナンス・コード」の基本的事項に対応し、DX認定を受けています。

現場環境に対応する柔軟な設計

今回開発された専用治具は、建設現場の多様な環境に対応できるよう設計されています。すべてのアタッチメントは標準的な三脚ネジを採用しており、カメラだけでなく、プロジェクターやセンサー類の設置にも活用できます。

各治具の特長

1. 現場USBポート

防水仕様のコネクタにも接続できる特殊設計です。建設現場でのデジタル機器使用増加に対応し、安定した電源供給を実現します。

2. フレキシブルアタッチメント

マグネット式で、天井デッキ面や鋼製建具、配管などの鉄部に簡単に取り付けられます。高所への設置時には脚立が不要となり、作業の安全性も向上します。

3. 単管アタッチメント

建設現場で広く使用されている単管パイプの表面や先端に簡単に設置できます。追加の設置スペースや資材が不要です。

4. カラーコーンアタッチメント

作業範囲の明示に使われるカラーコーンの先端に取り付けられます。移動が頻繁に必要な場所での監視に効果的です。

今後の展開

大成建設は今後、自社施工現場でこれらの治具を活用し、BuildEYEの普及を進めます。同時に、建設業以外の分野でも活用できるよう、各業界のニーズに応じたシステム改良を継続します。

このような取り組みを通じて、様々な現場のデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速し、業務効率と安全性の向上に貢献していきます。

出典情報

大成建設株式会社リリース,遠隔監視カメラシステム(BuildEYE)の設置用アタッチメント・USBアダプターを開発-設置・盛り替えが容易な専用治具により建設現場等への普及・展開を加速-,https://www.taisei.co.jp/about_us/wn/2025/250214_10332.html