国土交通省調査で主要都市の地価、全80地区が上昇傾向 – 住宅・商業地ともに好調維持

国土交通省は11月19日、令和6年7月1日から10月1日までの主要都市の地価動向調査の結果を公表しました。調査対象となった全国80地区すべてで地価の上昇が確認され、引き続き堅調な不動産市況が続いていることが明らかになりました。

調査結果のポイント

今回の調査では、以下の特徴的な動きが確認されています。

・全80地区中、75地区が緩やかな上昇(0-3%)

・5地区でより大きな上昇(3-6%)を記録

・下落や横ばいの地区は皆無

住宅地の動向

住宅地については、以下の傾向が顕著となっています。

・調査対象の22地区全てで10期連続の上昇

・1地区で上昇率が増加(0-3%から3-6%へ)

・その他の地区は安定した緩やかな上昇を維持

住宅地の上昇要因

住宅地の地価上昇は、主に次の要因によって支えられています。

・利便性が高い地域での根強い需要

・良好な住環境を備えた地区への継続的な人気

・マンション需要の堅調な推移

商業地の状況

商業地に関しては、以下のような特徴が見られます。

・58地区全てで3期連続の上昇を記録

・上昇率の区分に大きな変化なし

・一部地域で上昇ペースの鈍化傾向も

商業地の上昇背景

商業地の地価上昇には、次のような要因が影響しています。

・各地での再開発事業の着実な進展

・インバウンドを含む観光客の増加

・店舗・ホテル需要の回復

・オフィス需要の底堅さ


地域別の調査状況

調査対象となった80地区は、以下のように分布しています。

・東京圏:35地区

・大阪圏:19地区

・名古屋圏:8地区

・その他地方圏:18地区

今後の見通し

不動産市場の先行きについては、以下のような予測がされています。

・住宅地では、利便性や住環境の良好な地区を中心に、当面は需要が継続する見込み

・商業地については、一部で上昇傾向の落ち着きが見られるものの、基調としては底堅い展開が予想される

調査の概要

この調査は、国土交通省が実施する「地価LOOKレポート」として知られるもので、以下のような特徴があります。

・四半期ごとの定期的な調査

・主要都市の高度利用地が対象

・不動産市場の先行指標として活用

・地価の動向を9段階で評価

調査結果まとめ

今回の調査結果からは、日本の主要都市における不動産市場が全般的に堅調な推移を続けていることが確認されました。特に住宅地については長期的な上昇傾向が続いており、良好な立地条件を備えた地域への需要は依然として強いことが示されています。

商業地においても、インバウンド需要の回復や再開発事業の進展などを背景に、総じて底堅い動きが続いています。ただし、一部地域では上昇ペースに鈍化の兆しも見られ始めており、今後の動向については注視が必要な状況となっています。

出典情報

国土交通省リリース,主要都市の地価は3期連続で全地区において上昇~令和6年第3四半期地価LOOKレポート~,https://www.mlit.go.jp/report/press/tochi_fudousan_kensetsugyo04_hh_000001_00057.html