西松建設×SORABITOインタビュー|「GENBAx点検」を活用した安全点検DXの推進

導入

大手ゼネコンの西松建設株式会社(以下「西松建設」)は、SORABITOの「GENBAx点検」を活用し、安全点検業務の効率化について現場トライアルを行っています。本インタビューでは、安全点検業務をシステム化することのメリットや実際のサービスの使用感についてお伺いしました。
「現場の声」を大切にするSORABITOと、どのようにトライアルに取り組まれたか是非チェックしてみてください。

「GENBAx点検」で安全点検DX

SORABITOが提供する「GENBAx点検」は、建設現場のあらゆる点検表をペーパーレス化するサービスです。建機や設備、足場のみならず作業者の健康チェックまで対応可能なことに加え、点検から承認までの一連の作業がオンラインで完結するため、管理者の作業負担を大きく軽減することができます。

2024年4月から時間外労働規制が適用され、これまで以上に働き方改革への取り組みが本格化する建設業界において、現場の生産性向上は喫緊の課題です。「GENBAx点検」は、そうした課題の解決に寄与するサービスとしてローンチ直後からご注目頂いており、実際に現場でお使いのスマートフォンやタブレットを用いてサービスの無料トライアルを行っていただくことが可能なことから、日々点検業務を実施されている協力会社様を巻き込んだ、スムーズな導入が進んでいます。

西松建設×SORABITO|インタビューQ&A

西松建設では実際の建設現場にて、「GENBAx点検」を活用し安全点検業務の効率化についての実証実験に取り組みました。今回のインタビューでは、同社DX戦略室の橋本様にサービス導入検討の背景やエピソード、今後の課題等を伺いました。

左から西松建設 橋本様、SORABITO 角谷、SORABITO 阿部

今回のインタビュー先

西松建設株式会社 スマート現場推進課 課長 橋本様
1995年ご入社、2023年度よりDX戦略室に着任され、労働環境改善に向けた省人化・省力化を踏まえた生産性や、品質・安全性を向上するDXツールの現場への普及推進・支援に携わられています。
関東での橋脚下部工工事、関西での民間工事での土壌汚染関連の調査・浄化工事にて現場をご経験。また、技術研究所での消波構造物の研究開発や、土木分野での品確法にもとづく総合評価方式入札時の技術提案作成等に従事されました。主なご担当領域は、「明かり」といわれる一般土木の分野

①西松建設のDX戦略室とは

———【SORABITO】まずは西松建設様のDX戦略室について教えてください。

【橋本様】
DX戦略室は「西松DXビジョン」の実現を目指し組織されており、5つの行動指針を踏まえて、ミッションテーマごとにチームが組成され技術の導入や業務改善への対応に取り組んでいます。

私が所属するスマート現場推進課は、「現場力がシンカしたスマート現場」の実現に向け、現場での品質・安全並びに生産性向上に資する技術(ツールやシステム)の導入推進と支援に尽力する組織です。現場への積極的なデジタルツール導入を推進すべく、支社・現場をめぐって、当該部署の取り組み説明と、推奨技術の紹介をするとともに、その技術の導入支援と評価に尽力しています。

今回の「GENBAx点検」のトライアルもその取り組みの1つで、現場の安全管理業務の効率化という観点で試行しており、活用状況把握と改善点抽出を行い実際の現場で使われるものになるようトライアルプロジェクトを推進しています。

②安全点検業務の現状と課題

———現状の安全点検業務にどのような課題感をお持ちでしょうか?

【橋本様】
昔から現場は「安全第一」で運営するのが当然とされています。注意喚起の工夫やダブルチェックなどにより日々安全性の向上に努めてはいますが、ヒューマンエラーや慣れから発生する危険な事象・事故を防ぎきれていないのが現状です。

点検は危険を事前に摘み取る行為として重要ですが、項目が多すぎたり時間がかかりすぎると逆に見落としのリスクが懸念されます。将来的には、危険やエラーなどがシステムにより自動検知され、安全性の確保や向上ができるようになることが望ましいと考えています。

———紙媒体の点検表が今もなお利用されていることも課題の一つでしょうか?

【橋本様】
そうですね。従来からの点検業務は、主に現場へ設置する紙媒体を活用して点検の記録・保管をしています。そのため雨天時には濡れてしまい記入が困難になったり、点検そのものが煩わしく感じたりすることもよく耳にして来ました。
現場でホコリまみれになると資料を再作成することもあり、管理のための追加作業が生じることに課題を感じています。また、紙であるため大量の紙資料をファイリングしたりする必要があり、その作業にかかる手間だけでなく、保管スペースの確保も課題に感じています。
省力化の観点から点検業務における物理的な弊害をなくすことに加え、環境問題の観点からもペーパーレス化の推進に取り組むことが重要と捉えています。

③「GENBAx点検」トライアル導入のきっかけ

———今回「GENBAx点検」をトライアル導入頂いた背景を教えていただけますか?

【橋本様】
元々建設現場のあらゆる点検記録をデジタルで一元管理したい、それを事務所にいながらでも適時に確認したい、というニーズがあり、最適なサービスを探していました。

「GENBAx点検」は有用な点検システムとして比較検討していた選択肢の一つでしたが、このサービスであれば点検者の効率化も期待できると感じ、現場へ利活用を提案しました。

現場においての点検作業は、職員だけでなく協力会社の方々にもかかわっていただくことになりますので、実際にシステムを協力会社の方にも利用してもらえるかどうかは注視していましたが、SORABITOさんにサービス利用のデモンストレーションをして頂き、操作が非常に簡単であることに安心感を覚えました。このツールを利用することで、本質的な安全確認に時間が割けるようになるという期待が持てたのでトライアルに至りました。

———トライアル現場は、どのように選定されましたか?

【橋本様】
トライアル現場の選定に当たっては、システム評価のしやすさと他の現場への展開しやすさを意識しました。具体的には、①汎用的な工種の現場であること、②適度なサイズの現場であること、③DXに積極的に取り組んでいただける職員が存在する現場であることの3点を重視しました。

システムやツールの導入にあたっては、小さいながらも成功体験を積み上げることが重要です。そのため、スモールスタートができるような現場や、業務の迅速化や円滑化に積極的で前向きな職員がいる現場で取り組むことが大切と考えています。今回は倶知安工事事務所と平塚製作所を選定しましたが、積極的に取り組んでいただき、最適な現場だったと感じています。

———両現場では具体的にどのような課題をお持ちでしたか?

【橋本様】
トライアル現場では、建設機械を始めとする建設資材を多く扱っていましたが、それらを個々に管理するために、多くの時間と人員を割いていたことが課題でした。

取り分け紙の点検票による管理業務は煩雑であり、本質的な安全対策を検討するための時間をより確保したいと考えていました。

———トライアルとはいえ、システム利用にあたって現場からネガティブな反応はありませんでしたか?

【橋本様】
西松建設では「西松ビジョン」を掲げ将来の西松の現場のあり姿を示していることもあり、システム利用、DXツールのトライアルなどについて、ほとんどの現場で前向きに取り組んでいただいています。

しかし新しいものを取り入れることで、既存の手慣れた手法を変える煩わしさや手間への抵抗感はあると思います。新しいものへの不安感は皆持っているものなので、それらを払拭するためのトライアルを行うことが大切だと思っています。トライアルを通じて導入課題を整理した上で、システムを提供する会社、今回であればSORABITOへフィードバックを行い改善に取り組んでもらうことで、実際の導入を円滑に進めることができます。現場もシステムも、日々改善に取り組んで、心地よく使えるようになれれば良いと捉えています。

④「GENBAx点検」を導入した結果

———サービス導入後の現場の反応を教えて頂けませんか?

【橋本様】
GENBA×点検のトライアル利用を開始後、現場より下記のような声が上がっています。

  • 点検作業が簡単。システムも使いやすい
  • 点検項目が明確でわかりやすい。紙が無くなって嬉しい
  • 点検結果が一元化されており、点検状況を把握しやすい
  • 紙が無くなり、煩わしさがなくなった

こうした現場の声を聞いて、DX戦略室としてもシステム導入の手ごたえを感じています。円滑な現場運営を支援するツールとして、広く活用できると期待しています。

———SORABITOとしても現場の成功のためにトライアル導入をサポートさせて頂きましたが、いかがでしたか?

【橋本様】
現場へ積極的にアプローチしていただいたことで、トライアルプロジェクトへの熱量が高まったように思います。トライアル利用前には、職員・職長だけでなく、現場で実際に点検作業を行う協力会社の方へもフォローアップして下さったので、トライアルの立ち上がりがスムーズだったと思います。製品化前のトライアル版から利用させていただくという稀有な状況でしたが、現場から上がってくる課題を直接見聞きし、随時対応頂けたことで、実際の現場に即したプロダクトに進化していると感じています。引き続き現場の声を反映頂くことで、さらに使いやすくなればと期待しています。

もし自分が若かりし頃にあったなら、現場での作業時間が激減したように思っています。できれば、もっと早く世に出して頂ければよかったのに…と思うところではあります(笑)

⑤今後の課題・期待すること

———「GENBAx点検」の今後に期待することは?

【橋本様】
今回は製品化前のトライアル版サービスを利用させて頂きました。トライアル開始当初は、点検作業者にとって使いやすい機能が中心でしたが、最終的には電子承認機能の追加など、管理者の業務管理画面が飛躍的に使いやすくなったと現場から話を聞いています。

今後は、特殊ケースへの対応力が課題になるのではないかと思っています。紙管理では臨機応変に対応できていたトラブルも、デジタル化することで逆に対応が難しくなる場合があります。我々現場側もそうですが、システムを活用しながらも、これまで培ってきた運用のフレキシビリティは損なわないように取り組んでいくことが大切ではないかと思っています。

また、様々なシステムとの連携なども期待したいと思っています。データ入力の重複がなくなったり、帳票類が自動作成できるようになったりすれば便利かと思います。結果として、業務効率化やペーパーレスなどの環境への貢献につながることが望ましいと考えています。

【SORABITO】
本日は貴重なお話の機会を頂きありがとうございました。

【GENBAx点検についてのご相談・お問い合わせ窓口】

サービス紹介
https://genbax.jp/inspection/construction/

資料請求・無料トライアル申込
https://www.sorabito.com/genba-contact/

サービス紹介動画
https://youtu.be/cjQqn2fI0GE?si=JvyA1S-R-OpAjrGz

お問合せ窓口
SORABITO株式会社 
TEL:03-5847-8991
Email:info@sorabito.com

まとめ – BuildApp 編集部感想 –

現場での安全管理は従来まで「紙」を使用するのが一般的でしたが、デジタル管理に移行することで業務効率化につながります。「GENBAx点検」は実際の現場での声を何よりも大切にしており、丁寧なサポートによる満足度の高さも魅力です。今後も幅広い現場への導入が期待されます。