ナレルグループ、ICT支援人材による、建築現場でのデジタルツール活用と推進
建設業界の技術者派遣を行う株式会社ワールドコーポレーション(本社:東京都千代田区、代表取締役:小林 良、以下当社)は、建設業界におけるDX化を推進しております。
この度、当社はスパイダープラス株式会社(本社:東京都港区、代表:代表取締役社長 伊藤 謙自、以下SPIDERPLUS)が運用する建設業の現場管理に特化したDXサービス「SPIDERPLUS」を活用し、株式会社 淺沼組(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長:浅沼 誠、以下淺沼組)と共に、デジタルツールを活用した建設現場の業務効率化、そして生産性向上に取り組んでいることをお知らせいたします。
近年、老朽化した建物の建て替え工事や再開発事業によるマンション需要、また民間資金活用など今後の需要が伸びていく傾向ですが、ただ一方で、建設業界の慢性的な人材不足が深刻な問題になっております。
このような社会的背景を踏まえ、当社は、建設DXを積極的に推進し、建設現場作業の生産性の向上、効率化をサポートしております。さらに、SPIDERPLUS等のデジタルツールを導入したにもかかわらず、活用・浸透しきれていない企業様に対しては、デジタルツールの活用を推進してまいりました。
当社は、今後も変わらずSPIDERPLUSをはじめとするデジタルツールの活用・推進を担える人材を育成し、建設業界のDX 化への発展に寄与してまいります。
目次
株式会社 淺沼組との取り組み内容の紹介
<取組みの背景>
当社から、SPIDERPLUSを活用・推進できる人材を淺沼組に派遣。建設現場のロボット化やデジタル化時代に向けて、現場管理業務からデジタルツールを活用することで、建築現場での浸透化の実現を目指してきました。
<実績・効果>
①杭位置確認ツールとSPIDERPLUSを使用したことによる、1人工の工数削減
倉庫物件の現場にて、杭位置確認ツールとSPIDERPLUSを使用した結果、下記のとおり作業の削減と効率化を実現できました。
●使用したデジタルツール
・ SPIDERPLUS
・ 杭位置確認ツール
●SPIDERPLUSを用いた写真整理業務
杭一本あたり約30枚の写真を撮る必要があり、現在は現場ごとに4機が稼働しているため、約120枚以上の写真撮影を行っています。従来であれば、この写真整理業務を行うと、3.4時間程度かかる業務が、30分~1時間の業務時間で済むようになりました。
●杭位置確認ツールをもちいた杭位置確認
従来の杭位置の確認は通常2人1組で取り組んでいましたが、杭位置確認ツール活用により1人での確認作業が可能になりました。
<その他各種検査業務>
➁基礎梁とスラブの場合
検査業務に乗り込む前から、SPIDERPLUSを使うことで管理項目を事前に準備ができ、また工事が始まる当日は、基準値(設計値)の情報を基に実測値を取ることができます。これにより、ミスが少ない管理と当日の検査業務が下記の通り効率化されました。
・ 事務所に戻った後の写真の整理や検査結果の報告書作成の手間がかからない
・ 配筋の位置の確認(豆図で分かる)
・ 変更があった場合でも、臨機応変に対応可能
➂デジタル人材チームを結成し、チームで現場支援
現場経験があり、且つデジタルツールの活用推進・支援を行ってきた人材を主軸とし、「基礎工事」、「躯体工事」、「仕上げ工事」に配置する人材を分類し、それぞれの重要な業務に専念することで、検査業務に特化し早期に業務を覚えることができたのと同時に、現場の生産性向上にもつながりました。
現場経験があり、且つデジタルツールの活用推進・支援を行ってきた人材を主軸とし、「基礎工事」、「躯体工事」、「仕上げ工事」に配置する人材を分類し、それぞれの重要な業務に専念することで、検査業務に特化し早期に業務を覚えることができたのと同時に、現場の生産性向上にもつながりました。
<株式会社ワールドコーポレーション:小林良太よりコメント>
建設業界に入ったきっかけ・現場でのSPIDERPLUSの活用について
大学は情報学部を卒業し、就活時の業界研究の中で建設業界のデジタル化が遅れていることを知ったことで建設業界に興味を持ち始めました。まずは現場を知るため、派遣社員として株式会社ワールドコーポレーションに入社しました。
入社後初めての現場が淺沼組の現場で、最初はひたすら杭の配筋写真をデジカメで撮ってまとめていましたが、しばらく経つと淺沼組社内でもDX化推進に向けた動きがあり、全社的にiPadとSPIDERPLUSが導入されました。今までデジカメで撮った写真を帳票に貼り付け、コメントを書くという作業だけで何時間とかかっていましたが、SPIDERPLUSを使うと自動で帳票が作成できるため、目に見えて作業時間の短縮に繋がりました。
導入前後での実績は各工数の削減はもちろんのこと、現場で働く淺沼組の社員の皆さんのデジタルツールへの関心が高まり、「デジタルツールでこういう事できないかな?」といった会話や相談が社内で起こるようになったことです。そこで、デジタルツールの浸透が図れているなと感じることができましたし、今でも感じています。
現在の業務と今後の展望
現在は、2~3個の現場を担当しており、各現場に配置しているICT支援員メンバー教育も担っています。最初は現場で直接教えますが、慣れてきたらSPIDERPLUSで各現場の写真進捗や教育を遠隔で行っています。その他の業務としては、SPIDERPLUS以外にも現場運営でのDX化を図るため、様々なツールも現場で検討しています。
今後は、SPIDERPLUSを現場の状況と照らし合わせて現場感覚で利用できるICT支援員の育成と、IT×建設の知識が身についた育成に力を入れて行きたいと考えています。このような人材が増えることで、よりワールドコーポレーションがサポートできる幅も拡大していきたいです。
<株式会社淺沼組:尾﨑 郁生様よりコメント>
プロフィール
・氏名:東京本店 建築部 第4工事部 工事部長/尾﨑 郁生様
・ご担当業務:主に倉庫物件を担当。
<取組みの背景・実績>
建設DXは、建設業界はもちろん、社内でも推進していこうという動きがありました。建設現場の現実を見ると、人手不足はどこでも起きていて、私の部内である第4工事部では必要現場社員数にたいし25%程度の不足を感じる状況です。どうにか解決しようとも淺沼組の社員だけではDX化に対応できないという現状でした。
そこで淺沼組では、約7年前にSPIDERPLUSを導入し、社内的にもツールを使ったDXの取組みが注目されていた中、同タイミングでワールドコーポレーションの派遣社員として小林さんが参画しました。小林さん自身デジタルツールに強い点や、まだアナログな部分が多い建設業界にデジタル化のチャンスを感じていたこともあり、どんどんSPIDERPLUSを習得してくれ、淺沼組のDXの推進を一気に進めていただきました。
その後もデジタルツールを扱える人材を積極的に受け入れたことにより、工事写真の撮影・整理、事前準備部分の業務の切り離しが可能となったと同時にアウトソーシング化が可能になりました。またICT支援人材がいることで、1つの現場に配置する人材が決めやすくなりました。
<今後の展望など>
今はまだ私の担当部署である倉庫物件での実績のため、マンション工事など管理項目が多い現場等をとおして淺沼組内でこの成功体験を広げていきたいと考えています。そのためには、ワールドコーポレーションのような人材派遣会社には、現場経験がありながらデジタルツールが扱えるICT支援人材が増えることに期待しています。また、このような人材を増やすための取組みにも期待しています。
株式会社ワールドコーポレーションについて
当社は2008年に設立し、現在本社を含め全国に6拠点を構え、建設業界に特化した技術者派遣、建設関連作図事業、プラント技術者アウトソーシング事業を行っています。国内全域を主要営業エリアと位置付け、大手建設会社やメーカー、各設計分野を中心に多くの実績を残してきました。
現在、建設業界は深刻な人手不足や、高齢化が進んでおります。慢性的な人材不足を解消するために、当社は積極的な未経験採用を行い、5年~10年で一人前の技術者に育てるべく人材育成に取り組んでおります。今後も積極的に採用と育成に力を入れ、未来を担う若者を一人でも多く輩出し、建設業界の未来の発展のために取り組んでまいります。
<会社概要>
本社:東京都千代田区二番町3-5 麹町三葉ビル3階
TEL:03-3556-3351
URL:https://worldcorp-jp.com/
事業内容:建設エンジニアアウトソーシング事業
建設関連作図事業
プラント技術者アウトソーシング事業
○ 有料職業紹介事業許可番号 13‐ユ‐304344
○ 労働者派遣事業許可番号 派 13-305286
○ 一級建築士事務所 東京都知事登録 第64222号