工事台帳ソフト6選。課題に合わせた選び方も解説

工事台帳ソフトは、工事に関する情報の一括管理や共有、原価計算などを行える業務効率化を支援するものです。しかし、「どのようなソフトを選んでいいのかわからない」「自社の課題解決につながるのか」といった悩みを持つ企業も多いといえるでしょう。
そこで、本記事では、工事台帳ソフトを6つ紹介したうえで選び方も解説します。
目次
「トレンドワード:工事台帳ソフト」
建設業界における工事台帳ソフトは、工事ごとの進捗や利益をわかりやすく管理するためのソフトウェアを意味する言葉です。選定する場合には、次のようなポイントを意識しましょう。
- 誰でも操作できる内容や画面設計か
- 出力は提出する書類の規定に合っているか
- 機能が課題解決につながるか
人為的なミスの軽減や人件費の削減なども含めて、「何がどこまで変わり、どのような効果が得られるのか」を想定したうえで工事台帳ソフトを導入しましょう。また、製品によっては、連携できるツール・ソフトが限られていることから、事前に企業内の業務フローや使用ソフトを確認しておかなければなりません。
工事台帳ソフト6選
ここでは、業務効率化やデジタル化につながる工事台帳ソフトについてみていきましょう。価格や機能性などの違いもあることから、自社の課題に合わせて選択することが大切です。
JSI 工事台帳 lite:株式会社 ジャパンシステムイノベーション
「JSI 工事台帳 lite」は次のような特徴があります。
- 弥生会計と設定科目を連携でき、簡単にエクスポートができる
- 弥生会計でエクスポートした未完成工事支出金データを取り込める
- Excelや手書きで作成していた請求や入金、科目別の集計を簡潔にデータ化できることから原価管理もしやすい
他の拠点や出先からの入力や確認も可能です。そのため、迅速な判断が可能となり、データの共有も容易となっています。 請求入金・科目別集計表・工事経歴書・間接経費按分等のかんたん機能が搭載されており、シンプルなので誰にでも使いやすくなっています。
また画面での確認だけでなくエクセルへの出力も可能で、進行している工事状況を細かく把握できます。これにより、工事状況の確認や経営事項審査の添付書類として幅広く活用できるのが特徴です。
料金(税込み) | 16,500円 |
対応端末 | Windows |
IBEX原価管理・工事台帳:株式会社日本デジタル研究所
「IBEX原価管理・工事台帳」は土木・建設業をはじめとして、個別の原価管理に対応できる工事台帳です。以下のような特徴があります。
- シンプルな入力画面となっており誰でも使いやすい
- インボイス対応済み
- 工事別原価明細表や原価取引一覧表なども発行できる
会計処理の効率化だけでなく、工事台帳に関連する全ての原価を一覧で確認することも可能です。原価・利益の状況を細かく管理したい場合には推奨できる工事台帳ソフトだといえるでしょう。
JDL IBEX原価管理・工事台帳は、JDL IBEX出納帳で入力した原価取引・請求入金情報の取り込みにも対応しています。これにより、工事ごとの利益や原価、請求内容や入金情報の確認を効率的に行えます。
またインターネットで顧問会計事務所と連携できる機能も備わっています。具体的には簡単・安全に会計データを送受信できる「Web POSTBOX」や、顧問会計事務所のネットワークサーバーからデータを呼び出して処理が行える「JDL NDストレージ」が挙げられます。
独自開発のデータ送受信機能により、会計事務所からのアドバイスをタイムリーに活用できるのがメリットです。
料金(税込み) | 41,800円 |
対応端末 | Windows |
ANDPAD:株式会社アンドパッド
「ANDPAD」は厳密には施工管理システムであるものの、工事台帳としての機能も果たせるソフトウェアです。次のような特徴があります。
- 原価と粗利をリアルタイムで可視化できる
- 過去の見積りデータを簡単に見返すことができる
- 工事現場の管理と情報共有が簡単にできる
工事台帳で必要となる原価管理に加え、工程管理まで可能となっています。また、様々な端末からアクセスできるため、書類作成や提案・見積も効率化できるでしょう。
また、インボイスや電子帳簿保存法にも対応しています。「ANDPAD受発注」による受発注関連書類のやりとりでは、タイムスタンプやクラウド保管による非改ざん性の証明にも役立ちます。
また電話・メール・チャットにて相談窓口が設けられているため、不明な点や操作方法などいつでもサポートしてもらえるのもメリットです。説明会も適宜実施しているので、不安なことがあればすぐに解消できます。
料金(税込み) | 問い合わせ |
対応端末 | WindowsMaciosAndroid |
使えるくらうど工事台帳V3:アサクラソフト株式会社
「使えるくらうど工事台帳V3」は、見積から支払いにいたるまでの管理業務の効率化が行えるソフトです。次のような特徴があります。
- 見積もりや実行予算、支払査定管理などがどこでもできる
- 関連会社にも情報共有できるグループウェア機能がある
- 原稿項目を選択すれば簡単に工事台帳を作成できる
インボイスに対応した適格請求書の作成ができることに加え、グループウェア機能があるため、情報共有も簡単にできる点はメリットといえるでしょう。
実際の業務では、見積、実行予算、発注、仕入、原価、支払いまで全て管理できます。建設業における一連の管理業務を網羅した豊富な管理機能で、日々の管理業務の効率化を実現できるのがメリットです。
またそれぞれの管理機能で入力した詳細情報を工事ごとの工事台帳として、全ての情報を取りこぼすことなく把握することもできます。細かい詳細条件を付与して出力する設定も可能なので、状況に応じて使い分けられます。
料金(税込み) | 問い合わせ |
対応端末 | MacWindowsAndroidios |
AnyONE:エニワン株式会社

「AnyONE」は工務店やリフォーム会社に特化した工事台帳ソフトです。次のような特徴があります。
- 見積りと実行時の利益管理ができる
- 専任スタッフによる運用サポートがある
- 初心者でも使いやすい画面設計となっている
導入後も課題に合わせて、運用サポートを行うため、「紙からデジタル化したい」「Excelだけに頼りたくない」といった場合も相談しやすい環境があります。利益の推移なども把握できるため、大規模な工務店であっても使用しやすいでしょう。
またAnyONEは、多くの工務店様と取り引きする建材流通商社のナカザワ建販が開発したシステムという特徴があります。そのため同業界ならではの、細部にまでこだわった使い勝手とサポート体制が強みです。
一元管理でいつでもどこからでも閲覧できる状態に整えることで、収支予測や利益推移の”見える化”が可能になります。蓄積されていくデータは会社の資産とも言えるため、長期的に企業の成長にも貢献します。
料金(税込み) | 問い合わせ |
対応端末 | Windows |
uconnect:株式会社unlimited

「uconnect」はクラウド型の工事台帳ソフトであり、30日間のお試し期間があります。他には次のような特徴がある点を知っておきましょう。
- 案件ごとの粗利管理がどこからでもできる
- 見積から分析までできる
- 有名会計ソフトとの連動ができる
データの一元管理が可能であるため、管理業務の効率化を目指す場合には適した工事台帳ソフトだといえるでしょう。
適格請求書等保存法(インボイス制度)や、電子帳簿保存法にも対応しています。面倒な手続きを一括管理できることで、業務効率化に貢献します。
またチャット・メール・電話・Zoomといったサポート体制が充実しており、気になる点はすぐに相談できるのも特徴です。クラウドセキュリティは世界標準の暗号化技術(256bit SSL)により通信データを暗号化しているため、安心して利用できます。
料金(税込み) | 月額基本料金は5,500円から。1ユーザー1,100円から。 |
対応端末 | MacWindowsAndroidios |
まとめ
工事台帳ソフトは、多くの種類があるため、現場の課題に合わせて導入を行うことが大切です。データの一元管理や会計ソフトとの連携、見積から実際のコスト管理まで可能なものもあるため、現状で何が課題になっているのかを把握することからスタートしましょう。