建設リサイクル法とは|基礎知識を解説

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著者:碧海

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「建設リサイクル法」についてピックアップします。建設リサイクル法は、日本における廃棄物の適切な処理と資源の有効活用を促進するため、平成12年5月に制定された法律です。本記事では、建設リサイクル法の基礎知識を解説していきます。

建設リサイクルとは

『建設リサイクル』とは、建設副産物の再資源化、他産業廃棄物を含む再生資材の建設資材としての活用といった、建設分野に係る省資源・資源循環の取り組みのことを指します。

出典:国土交通省WEBサイト(https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/region/recycle/d01about/d0101/page_010101recycle.htm

建設リサイクル法の概要

建設リサイクル法は「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(平成12年5月31日法律第104号)」のことで、概要は以下のとおりです。

建築物等に係る分別解体及び再資源化等の義務付け

○一定規模以上の建設工事(対象建設工事)については、一定の技術基準に従って、その建築物等に使用されている

1)コンクリート、2)コンクリート及び鉄からなる建設資材、3)木材、4)アスファルト・ コンクリート(特定建設資材)を現場で分別することが義務付けられます。

○分別解体をすることによって生じた上記の特定建設資材の廃棄物について、再資源化が義務付けられます。

◆対象建設工事
 特定建設資材を用いた建築物に係る解体工事又はその施工に特定建設資材を使用する新築工事であって、その規模が一定基準以上のもの。なお、都道府県の条例により対象建設工事の規模の引き下げ可能。

◆分別解体実施義務
 対象建設工事受注者に対して、分別解体を義務付け。分別解体等は、一定の技術基準に従い、建築物等に用いられた特定建設資材に係る廃棄物をその種類ごとに分別しつつ計画的に工事をする等により実施。

◆再資源化実施義務
 対象建設工事受注者に対して、分別解体に伴って生じた特定建設資材廃棄物の再資源化を義務付け。なお、木材については一定距離以内に再資源化施設がないなど、再資源化が困難な場合には、縮減を実施。

分別解体等及び再資源化等の実施を確保するための措置

○発注者による工事の事前届出、元請業者から発注者への事後報告、現場における標識の掲示などが 義務付けられます。

○受注者への適正なコストの支払を確保するため、発注者・受注者間の契約手続が整備されます。

解体工事業者の登録制度の創設

○適正な解体工事の実施を確保するために、解体工事業者の登録制度及び解体工事現場への技術管理 者の配置等が義務付けられます。

その他

○再生資材の利用促進等 基本方針における目標の設定や都道府県知事による指針の策定、対象建設工事の発注者に対する協 力を要請すること等により、リサイクルを推進します。

○罰則 分別解体等及び再資源化等に対する命令違反や、届出、登録等の手続の不備に対して、発注者や受 注者に所要の罰則が適用されます。

○施行 

  • 公布日(H12.5.31)
  • 基本方針等は公布日から6ヶ月以内(H12.11.30)
  • 解体工事の登録等は公布日から1年以内
  • 分別解体及び再資源化等の義務等は公布日から2年以内

※出典:国土交通省ウェブサイト(https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/region/recycle/d03project/d0301/page_030110recyclelaw.htm

まとめ | SDGsに寄与する

ご紹介したように、建築リサイクル法は、廃棄物の適切な処理と資源の有効活用を推進することにより、環境への負荷を減少させます。これにより、環境保護・資源の有効活用・経済効果・持続可能な社会への好影響が期待されるでしょう。

また、環境と経済の両面でプラスの影響をもたらす重要な取り組みであり、社会全体の持続可能性向上に寄与します。数年、数十年先を見据えて、この取り組みがもたらす効果を見守っていきたいですね。