三和建設、40 歳代女性社員が15 時間の作業をゼロに!同業他社巻き込みDX化勉強会立ち上げから1年、リスキリング実践する7人育成も

掲載日:
Category:建築DX

三和建設株式会社(本社:大阪市淀川区、代表取締役社長:森本 尚孝、以下:三和建設)の女性社員 江畑早苗(49)が2022 年7 月に立ち上げた「関西建設業界合同勉強会」が1 年を迎えました。

関西建設業界合同勉強会は、企業の枠を超えて業界全体の人材不足をDX の推進にて改善を目指すために、三和建設、三国産業、ファンテックの3 社から有志が集まって始めた取り組みです。

江畑は元々プログラマーとしてソフトウェア開発会社で働いていましたが、育児による10年間のブランク後、2016年2月から三和建設の作業所事務のパートタイマーに従事、その後会社からの薦めにより社員として正式に入社しました。

入社当時の三和建設のバックオフィスではRPA の導入などDX が進んでいるとはいえ、建設現場の事務作業は「紙ベース」の作業も多く、ほぼ手付かずの状態でした。

そこで、江畑は課題の洗い出しをはじめます。事務仕事の中で転記や入力ミスなどのヒューマンエラーによる生産性の低下や、コピー&ペーストの繰り返しに15 時間必要とする作業に対して疑問を感じるようになりました。

そこで、一部の作業を自動化するなど、業務改善を進めようと考えた江畑は「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」(ノンプロ研)に入会。GAS(Google Apps Script)を用いたプログラミングを学び、独自開発した結果、15時間の作業をクリック一つで完結することができ他方向へのDX化が進むようになりました。

社内では江畑の業務改善に対し、「すごい、魔法みたい」「ありがとう、これでラクになるよ」「じゃあこんなこともできる?」と、好意的な反応が起こります。しかし、メンテナンスや運用をする人がいないことへの危機感や全ての依頼に対応する時間が取りづらいなど1 人で行うことへの限界を感じるようになりました。

2022年4月、ノンプロ研の仲間内で生まれた「合同で人財育成をするためのIT 勉強会を合同でやろう!」というアイデアを社内にて提案し、プログラミングができる社員を増やそうと動き出します。

ノンプロ研がノウハウを提供し、同事業で同じ課題を共有する三和建設・三国産業・ファンテックの3社で取り組みが進み、わずか3か月後の2022年7月には「ITを活用した業務効率化のための基本知識を学ぶ」をテーマにした建設業界合同勉強会を初開催しました。1年間で4回開催し、延べ34人が受講し、卒業しています。

江畑は現在アシスト本部(管理部門)の社員として社内で活躍の幅を広げています。社内では自ら新しいスキルを獲得しようという風土が醸成されています。

勉強会の卒業生により現在では7 人のプログラマーが誕生し、自らの業務を見直し、一部の作業を自動化するなど業務の効率化を図っています。

「一人ひとりの挑戦を後押しする」という三和建設のカルチャーは目に見えない資産でありながら、創業76年目を迎え確実に根付き、建設業界にも変化をもたらし始めました。建設業は他産業と同様に、年齢や性別に関わらず強い志をもつ多彩な人財が活躍できる業界です。

「つくるひとをつくる」。三和建設では、あらゆる可能性を否定せず、熱意を持ちチャレンジを続ける人を受け入れる土壌を整え、社員の活躍と社会にとって有用な建物を提供する技術をもとに建設業のやりがいと魅力を伝えてまいります。

背景

令和4 年度の建設業就業者数は479 万人でピーク時だった平成9 年度より約30%減少しています。※1建設業就業者は55 歳以上が35.9%、一方29 歳以下は11.7%と高齢化が進行している。60 歳以上の技能者は全体の約4 分の1(25.7%)を占めており、10 年後にはその大半が引退することが見込まれています。

年間の総実労働時間は、全産業と比べて90 時間長く※2、さらに2024 年4 月以降は「働き方改革関連法」によって時間外労働の上限規制が適用されます。

建設業界でも技術の進歩に伴う作業効率化を取り入れ、生産性の向上が急務となっています。

会社概要

商号 : 三和建設株式会社

代表者 : 代表取締役社長 森本 尚孝

所在地 : 〒532-0013 大阪府大阪市淀川区木川西2 丁目2 番5 号

設立 : 1947 年5 月

事業内容 : 総合建設業

資本金 : 一億円

URL : https://www.sgc-web.co.jp/

※1 国土交通省「建設業を巡る現状と課題」より

※2 厚生労働省「毎月勤労統計調査」年度報より国土交通省作成の産業別年間実労働時間より