LiDARとは|基礎知識や事例を解説

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著者:碧海

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「LiDAR」についてピックアップします。国土交通省では、ドローン活用事例において、LiDARスキャナを使用しています。本記事では、LiDARの基礎知識と活用事例を解説していきます。

LiDARとは

LiDAR(ライダー)とはLight Detection And Ranging(光による検知と測距)の略称で、LiDARによる測定は光の反射を利用したものです。光源から照射したレーザー光が測定対象に当たって跳ね返ってくるまでの時間を計測し、そこから距離や方向を測定するという仕組みです。

LiDARで使われるレーザー光には赤外線や可視光、紫外線などがありますが、赤外線を使ったものが最も普及しています。

また、Laser Imaging Detection And Ranging(レーザー画像検出と測距)とも言われ、多くは近赤外レーザー光をパルス状に照射し、対象物に当たって跳ね返ってくるまでの時間差を計測します。

【LiDAR イメージ】
LiDARは、対象物までの距離だけでなく、位置や形状まで正確に検知できることが特徴です。

https://www.rohm.co.jp/electronics-basics/laser-diodes/ld_what10

LiDARのもう一つの特徴としては、三次元の点群データとして情報を取得できることです。レーザー光の反射によって得られた測定対象物の座標データは、細かい点の形で表されますが、それらの点を集めることで測定結果を立体的に把握することができます。

建設業界では、土地の測量、地形の作成、建物の計画、モニタリング、品質管理などのさまざまな用途で活用されており、そのデータを用いて3D地図や3Dモデルを作成しています。

LiDARの活用例

LiDARはもともと地質学や気象学の分野で活用されていた技術ですが、高い検知精度が注目されるようになり、今ではさまざまな分野で応用されています。ここでは、LiDARの活用例として5つの用途を紹介します。

自動運転

LiDARは自動運転の実現に欠かせない技術として期待されています。自動運転で使用されるセンサとしては他にカメラやミリ波レーダーなどがありますが、カメラは悪天候に不向き、ミリ波レーダーは物体の細かい認識が不得意、といったようにそれぞれ弱点があります。

カメラやミリ波レーダーの弱点を克服するセンサとして、メーカー各社はLiDARの研究開発と実証実験を進めています。

ロボット

近年のロボットAIなどを搭載することで自律移動が可能になっていますが、ロボットにもLiDARの技術が使われています。家庭用のロボット掃除機や産業用の自動搬送車(AGV)、サービスロボットの中にはLiDARを使って周辺環境を把握し、移動しても人や物に当たらないように制御しているものがあります。

スマートフォン

LiDARはスマートフォンにも搭載されることがあります。例えば、iPhoneの上位モデルはLiDARを搭載しており、写真撮影する時に被写体との距離を正確に測定してうまく背景をぼかすといった使い方がされています。

他にも、LiDARで物体の位置関係を正確に把握することで、AR(拡張現実)で違和感なくコンテンツを表示するという活用方法もあります。

測量

LiDARを自動車や航空機に搭載して移動させることで、移動したエリアの地形データを取得するという使い方があります。山岳地帯を上空から簡単に測量したり、沿岸部では水深まで測ったりとLiDARによる測量は利便性の高いものです。測量によって得られた地形データは都市計画や環境整備などで幅広く活用されています。

大気モニタリング

レーザー光を上空に照射し、浮遊する粒子状物質に反射する光を測定することで大気汚染のモニタリングもできます。例えば、日本では黄砂の分布をLiDARを使用した計測システムで把握し、飛来経路などを研究しています。環境問題への関心が高まっているため、今後はさまざまな大気汚染物質の研究に使われると予想できます。

IT Insight 自動運転で注目されるLiDARの活用例と最新動向
https://go.orixrentec.jp/rentecinsight/it/article-121

まとめ | LiDARは我々の生活に必要な技術

ご紹介したように、LiDARは、私たちの暮らしを守るためになくてはならない技術であり、また、スマートフォンなど身近なところでも活用されていることがご理解いただけたと思います。日本において直面する社会問題にも活用されるこの技術を、今後もフォローアップしていきましょう。