BIMソフトはどう選ぶ?【2022年最新版】おすすめ主要ソフトもご紹介
皆さんはBIMと聞いてどのソフトを思い浮かべますか。BIMソフトにもいくつか種類があり、それぞれに特徴があります。業務を効率的に進めるためにも、ツールの選定は非常に重要です。
本稿では、BIM初心者の方を対象に、BIMソフトの選び方と主要なBIMソフトの特徴を簡単にご紹介します。ご自身が使うツールの特徴を理解できていると、操作や習得のスピードも確実に上がるため、これからBIMに触れる方も、既にBIMを進めている方も、是非参考にしてみてください。
BIMソフトの選び方
最初に、BIMソフトは単なる3Dcadのソフトではないということを注意しておきましょう。3Dcadとして使うのであれば、他にも多くの良いソフトの選択肢をあげることができます。BIMという文字の中にもInformationの言葉が入っています(BIM:Building Infomation Modeling)が、3Dはあくまで建物を表す1つの側面に過ぎず、建物には多くの情報が詰め込まれています。
BIMソフトを選ぶ際は、モデリングのしやすさなどももちろん重要ですが、入力した情報をどう活用するかも考える必要があります。プロジェクトによっては、建物の規模やスケジュールの関係などでBIMのメリットがすぐに得られない場合もあると思います。その際は、設計にBIMを用いないというのも選択肢としてあると思いますが、長い目で見て情報を管理していく上で、BIMが有効な手段の1つであるということは意識しておきましょう。
実際の設計の現場では、各専門分野で一貫して1つのBIMソフトを使用しているケースもありますが、専門性に応じてBIMソフトが使い分けられているケースも多々あります。例えば、意匠はRevitで進めるが設備はRebroで行ったり、構造はTeklaで行ったりなどです。BIMという大きな概念は共通なのですが、ソフトごとの考え方や使い勝手、コストなどそれぞれ良し悪しがあります。
意匠・構造・設備で1モデルというのが理想ですが、なかなかうまくいかないことも多いです。作業効率等を考え、専門分野ごとにBIMソフトを分けるというのも場合によっては必要で、ソフトの選定も含めた最も効率の良い協働の方法を総合的に考える必要があります。
主要BIMソフトの特徴
BIMソフトを選ぶ際に候補として外せないのが、日本で最もよく使われているRevitとArchiCADの2つのソフトです。それら2つを含む主要BIMソフトを紹介します。
Revit
世界的にもBIMソフトで最も使用されているのが、Autodesk社のRevitです。20年以上も前から開発されているソフトで、意匠・構造・設備など幅広く対応しています。Windowsでの使用を推奨します。Revitの特徴は、Autodesk社の他の製品との連携がしやすいのが大きな強みです。
Autocadなどの作図ソフトにも連携しやすく、BIM360やForgeを使えば、モデリングだけに留まらないBIMの有効活用も可能になります。また、ビジュアルプログラミングができるDynamoを使用すれば、Revit内で扱う情報をより自由に編集することができますし、ジェネレーティブデザインなども簡単に試すことができます。
Revit LTという機能を限定したRevitがあるのも特徴です。コストもRevitに比べ1/5程度のため、機能を比較して問題無いようであれば、LTで十分でしょう。外部ツールとの連携機能も進んできています。
契約期間 | 1ヶ月契約 | 1年契約 | 3年契約 |
料金 | ¥646,800/年 | ¥427,900/年 | ¥406,633/年 |
例えば、RhinoInsideの開発が進んでおり、3Dcadとしてよく使用されているRhinoともスムーズな連携ができるようになっています。RhinoInsideのバージョンアップも頻繁に行われているので、Rhinoとの連携機能については今後更に要注目です。
ArchiCAD
Revitに次いで国内でよく使われているのが、グラフィソフト社のArchiCADです。ArchiCADの歴史はRevitより長く、30年以上も前から開発されている歴史の長いソフトです。ArchiCADは、その操作性の良さから特に意匠の方によく使われています。MacでもWindowsでも使用でき、レイヤーの概念があるのも特徴の1つです。また、Grasshopperとの連携が可能で、比較的簡単にパラメトリックな検討ができるのも大きなメリットです。
GLOOBE
福井コンピュータアーキテクト株式会社が開発した国産のBIMソフトです。国産なだけあり、日本の建材データや法規チェックなど、日本で設計を行う上で便利な機能が実装されているのが大きな特徴です。
その他
構造に特化したTekla(https://www.tekla.com/jp)や設備に特化したRebro(https://www.nyk-systems.co.jp/)など、それぞれの専門に特化したBIMソフトもあり、実務でもよく利用されています。他にもBIM対応したVectorworks(https://www.aanda.co.jp/Vectorworks2021/)や、Rhino(https://www.rhino3d.com/jp/)をBIMソフトとして使う方法なども複数存在します。
最後に
BIM初心者を対象に、BIMソフトの選び方と主要なBIMソフトの紹介を行いました。ご自身にあったBIMソフトを見つけ、建物の情報をどう活用したいかを是非考えてみてください。そのためにはモデリングのルール化など、社内で決めなければいけない項目も多く出てくると思います。BIMソフトをモデリングのためだけに使うのではなく、その先に待つ本当のBIMの旨味を見つけていきましょう。