大成建設、建設業界の脱炭素化へ大きな一歩 国内初のGX認定25t電動クレーンを本格導入

大成建設(社長:相川善郎)は、GX建機として初めて認定された25tフル電動ラフテレーンクレーンを用いた電動化施工を開始しました。このクレーンはタダノ社が製造した「EVOLT eGR-250N」で、今後6年間にわたり同社の建設工事専用機械として本格的に活用されます。

脱炭素社会の実現に向けた具体的な一歩

大成建設は「Taisei Green Target 2050」で掲げる環境目標の達成に向けて、2023年から建設事業活動でのCO2排出量を実質ゼロにする「ゼロカーボン・コンストラクション」に取り組んでいます。今回導入された電動クレーンは、その取り組みの一環として実現したものです。

導入にあたっては、大成建設が内宮運輸機工株式会社(社長:内宮昌利)と共同で、環境省(経済産業省、国土交通省連携)の令和6年度「二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(産業車両等の脱炭素化促進事業のうち、建設機械の電動化促進事業)」を活用しています。

実際の現場での活用と効果検証

大成建設は2025年2月から東京都内の土木工事現場でこの電動クレーンの使用を開始しました。今後6年間、様々な建設工事において継続的に利用していく計画です。

利用期間中は、この電動クレーンの操作性や充放電に関する運用特性、CO2削減効果などを詳細に検証します。そして、その検証結果をGX建機の使用事業者として、一般社団法人日本建設機械施工協会(JCMA)に毎年度報告していく予定です。

導入された電動クレーンの概要

・稼働の基本情報

稼働場所:東京都内土木工事現場

稼働開始:2025年2月25日~

・使用機械の詳細

タダノ社製25tフル電動ラフテレーンクレーン「EVOLT eGR-250N」

・主な仕様

駆動用バッテリ: 226kWhリチウムイオン電池

・充電方式

急速充電:CHAdeMO

普通充電:AC200V(三相)商用電源接続

・充電時間

急速充電:出力70kW以上の設備使用時、約2.5時間

普通充電:100Aブレーカ接続時、約8時間

・騒音レベル

クレーン作業時:94dB

走行時:71dB

用語解説

・GX建機:建設施工現場における電動建機の普及を促進し、脱炭素化を進めるために国土交通省が創設した「GX建設機械認定制度」の認定を受けた電動建機のことです。

・Taisei Green Target 2050:大成建設が掲げる環境目標で、持続可能な社会の実現に向けた長期的なビジョンを示しています。

・ゼロカーボン・コンストラクション:大成建設が行う建設施工時の作業所におけるCO2排出量を総合的に実質ゼロとする国内初の取り組みです。現在、先進的な試みとして一部の作業所で実施中です。

今後の展望

大成建設は、今回の電動クレーン導入を皮切りに、今後も電動建機の効果的な活用を積極的に推進していきます。これにより、建設工事におけるCO2排出量削減に貢献し、業界全体の脱炭素化をリードしていく姿勢を示しています。

建設業界は従来、重機や工事車両からのCO2排出が課題とされてきましたが、こうした電動建機の導入により、環境負荷の少ない施工方法への転換が進むことが期待されます。大成建設の取り組みは、建設業界全体の環境対策の新たな基準となる可能性を秘めています。

出典情報

大成建設株式会社リリース,GX建機に認定された25tフル電動ラフテレーンクレーンによる電動化施工を開始-建設工事における電動建機の本格導入で脱炭素化を推進-,https://www.taisei.co.jp/about_us/wn/2025/250403_10377.html