住宅販売量の最新動向!日本でニーズが集まる不動産の種類とは?

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著者:BuildApp News編集部

国土交通省が令和6年7月に公表した「既存住宅販売量指数」によると、戸建て住宅・マンションともに上昇傾向にあることがわかっています。

本記事では、既存住宅販売量指数の調査結果をもとに「過年度との住宅販売量との違い」「特に増加が著しい不動産の種類・地域」を深掘りしたのち、不動産事業の将来性を解説します。

2024年最新の住宅販売量

国土交通省が月ごとに公表している「既存住宅販売量指数」によると、下表に示す通り、不動産の種類を問わず全体的に上昇していることがわかっています。

2024年4月2024年3月2024年2月2024年1月
戸建て住宅118.3116.4125.4117.5
マンション(30m²未満)129.3124.0129.8126.1
マンション(30m2未満を除く)106.2102.3108.2104.0
合計125.1119.9126.3121.7

出典:国土交通省「既存住宅販売量指数

季節によって増減はありますが、全体的に右肩上がりが続いています。物価上昇が続く日本ですが、今後も継続的に販売量が増加していくと予想されます。

過年度の住宅販売量との違い

出典:国土交通省「既存住宅販売量指数

より詳しく過年度からの傾向をみていくために、各年4月における販売量の変動をまとめました。

2024年4月2023年4月2022年4月2021年4月2020年4月2015年4月2010年4月
戸建て住宅118.3106.6108.1117.5105.3103.6106.4
マンション(30m²未満)129.3116.9113.3123.2101.3101.1101.1
マンション(30m²未満を除く)106.296.297.7112.195.497.0101.8
合計125.1113.0111.7121.0103.6102.7103.4

出典:国土交通省「既存住宅販売量指数」

2020~2023年にかけては新型コロナウイルスのまん延により、一時的に不動産販売量が減少しました。しかし、2024年には販売量が回復し、相対的に上昇傾向が続いている状況です。過年度の傾向から見ても、今後さらなる上昇がみられるでしょう。

販売量が増加している不動産の種類

前述した「戸建て住宅」「マンション(30m²未満)」「マンション(30m²未満を除く)」の3つを比較すると、特に上昇傾向が大きいのが「マンション(30m²未満)」です。

例えば、少子高齢化の影響で、高齢者が小規模のマンションに移り住む傾向が強まっていると考えられます。人口が都市部へ集中している現代において、1人暮らし用のマンションなど、小規模な物件のニーズが高まっていくと予想されます。

住宅販売量のニーズが高まっている地域

住宅販売量を地域別にみたとき、販売量指数は次のようになります。

北海道地方東北地方 関東地方 北陸地方中部地方 近畿地方中国地方 四国地方九州・沖縄地方
販売量119.7124.5128.2127.0123.3121.6111.7118.8125.0

出典:国土交通省「既存住宅販売量指数

特に地域でのニーズが高まっているのが、関東地方、北陸地方、九州・沖縄地方です。東京・愛知・福岡がある地域への人口流入が増えていることから、人口移動に合わせて住宅販売量が変動しやすいと考えられます。

住宅販売量からみる不動産事業の将来性

本記事で解説した住宅販売量の傾向をもとに、不動産事業の将来性について分析してみました。

販売量が増えている地域への事業展開を検討する

将来を見据えた不動産事業の展開を検討しているなら、販売量が増加している地域への事業展開が欠かせません。特に小規模マンションの販売量が増えていることから、事業展開の種類をマンションを中心に絞るといった対策が必要になるでしょう。

少子高齢化の問題が起きている日本ならではの傾向を読み取り、ニーズに合う事業展開の選択が必要だと言えます。

販売量が減っている地域では不動産売却のサポートを展開する

住宅販売量が減少している地域に対しては、今後不動産売却といったサポートに対するニーズが高まっていくと予想されます。また企業などは逆に、安くなった土地の買収に力を入れ、新たな事業地を設けようとする可能性もあるでしょう。

今後、BtoC(消費者向け)としては不動産売却、BtoB(企業向け)に対しては不動産販売で対応することが重要になるかもしれません。

まとめ

不動産販売量は、過年度から右肩上がりが続いている一方で、地方別にみると一部の地域へニーズが集中していることがわかります。また、日本の少子高齢化の影響で、生活しやすいエリアにある小規模マンションへ移り住む高齢者などが増えている状況です。

都心部への人口集中が激化している今、不動産事業を安定化させるためには、ニーズに合う事業展開が欠かせません。