住宅業界必見!2024年最新の人口移動調査の結果は?人口流入が多い都道府県ランキングや原因を解説
総務省統計局が公開した最新の住民基本台帳人口移動報告によると、東京都を中心とした都道府県に人口が流入し続けていることが判明しました。
本記事では、毎年調査されている統計調査をもとに、2024年最新の「人口移動状況」や「人口移動の原因」を説明したのち、人口の流入・流出に対して不動産事業でできることをわかりやすく解説します。
目次
2024年最新の人口移動調査結果は?
出典:総務省統計局「都道府県別転入超過数」
令和6年1月末に公開された住民基本台帳人口移動報告によると、全国的な都道府県をまたぐ移動が平均0.9%減少したものの、東京都を含む主要都市などに約200万人近い人口が移り始めていると判明しました。
令和5年度に公開された情報では、岩手県、茨城県、山梨県、滋賀県などに移り住む人も居ましたが、今年は移動先の都道府県が大幅に減少している状況です。
人口流入が多い都道府県ランキング
以下に、2024年最新の人口流入が多い都道府県をまとめました。
ランキング | 都道府県 | 増加人数 |
1位 | 東京都(特別区部) | 5万3,899人 |
2位 | 大阪府(大阪市) | 1万2,966人 |
3位 | 神奈川県(横浜市) | 9,731人 |
4位 | 北海道(札幌市) | 8,933人 |
5位 | 福岡県(福岡市) | 8,911人 |
また転出者が多い都道府県については以下の通りです。
ランキング | 都道府県 |
1位 | 広島県 |
2位 | 兵庫県 |
3位 | 愛知県 |
4位 | 三重県 |
5位 | 福島県 |
日本の場合、人口の一極集中化が激しさを増していることから、2025年度に発表される人口移動についても、同様の都道府県で増加・減少が起きると予想されています。
一部地域に人口移動が起きている原因とは?
一部地域に人口が移動しているのは、以下に示す2つの理由が関係しています。
- 都市部への一極集中化が進んでいる
- 中山間地の少子高齢化が加速している
世界でもっとも少子高齢化が進んでいる日本だからこそ起きている問題を、わかりやすく解説します。
都市部への一極集中化が進んでいる
都市部に人が移動しているのは、次の項目が都市部に集まる傾向があるからです。
- 人気店舗や話題の店舗
- メディアで取り上げられやすいエリア
人が多い場所には店舗やアミューズメント施設、医療機関などが充実しやすいため、利便性を考えて転出する人が大勢います。人が集まると施設が増え、さらに人が集まるというサイクルができてしまうため、人口移動が激しくなるのです。
中山間地の少子高齢化が加速している
中山間地など、地方から人がいなくなってしまうのは、少子高齢化によって次の問題が生じているからです。
- 店舗や施設の減少
- 求人数の減少
お店や施設が近くにないため、住民は利便性を求めて人が多い場所へと移動します。また少子高齢化で仕事が減り、仕事を求めて県外へ移動する人も少なくありません。
人口流入・流出に対して不動産事業でできること
人が都市部に流れている日本において、不動産業界は流入・流出に向けた対策を用意しておかなければなりません。それぞれ具体的な対策を整理しているので、ぜひ参考にしてみてください。
人口流入に向けた不動産の対策
人が集まる都市部に人口が流入している場合には、賃貸の需要、そして都市部近郊での物件購入の需要が高まると予想されます。
また、都市部は競合他社との取り合いが激化することにも注意しなければなりません。類似性の高い事業を展開しても顧客が分散してしまうため、自社でしか扱っていない物件をPRするというように、差別化に力を入れることが重要です。
もうひとつ、都市部で物件の購入者が現れる場合には、土地価格が高騰しやすいことを考慮してローン計画といったサポートにも力を入れてください。地方部と都市部では土地価格が大幅に変化するので、無理のないローン返済を提案することが欠かせません。
人口流出に向けた不動産の対策
人口が流出する地方部や中山間地の場合は、次の対策が重要です。
- 不動産売却を検討している人へのサポート
- 事業活用の見込みがある土地の管理
自分の家を売って転出する人のなかには、一軒家などの売却を希望する人も少なくありません。適正価格で売却できるようにサポートすることで、不動産売却の評判を高めやすくなります。
また、地方部にある土地は事業用として活用されやすいのが特徴です。近年では太陽光発電施設用に安い土地の購入を求める企業が増えているので、収益化に役立つ土地の管理に動き出してみてはいかがでしょうか。
まとめ
日本では東京都や神奈川県、大阪府など、主要都市に人口が移動している反面、地方部では人口減少が加速している状況です。そういった状況下で不動産事業をうまく立ち行かせるためには、流入・流出のニーズに合うサポートを提供することが欠かせません。
都市部では賃貸やリーズナブルな物件購入、地方部では不動産売却や事業用の土地活用などが進んでいくと予想されるので、早めに人口移動に向けた対策を始めましょう。