スキルの証明に役立つ。8つのCAD系の資格を解説

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住宅業界では、設計士に限らず、CADを使用した設計を行うケースは多くあります。たとえば、顧客の要望に合わせた住宅の提案、簡単な間取りの作成などはCADで行います。

そのため、スムーズな提案や設計効率の向上を図るためには、CADスキルは必須です。

そこで、本記事では、住宅業界で評価される各資格の概要や効果的な学習方法についてみていきましょう。

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CADは、住宅業や建設業などで使用される設計支援ソフトウェアのことです。そして、CAD関連の資格は、CADのスムーズな操作やCADに関する知識を証明するものです。

実際に資格を保有しているかどうかを問われるケースは少ないものの、以下のようなメリットがあるため、資格取得を目指すとよいでしょう。

  • 技術力の証明: CADソフトウェアの操作技術と設計能力を客観的に証明できる
  • キャリアアップ: 特定のCAD操作に対して、専門的なスキルを持つことを証明できる。昇進や転職の際に有利
  • 業務効率の向上: CADの操作・知識レベルを高めることで、設計業務の効率化や品質向上が期待できる

とくに転職や昇進の評価としては、無資格よりも有資格者が優先されることも多いのが実状です。CAD系の資格は「取得しなければその業務が行えないもの」はないため、資格取得が必須となることはありません。しかし、スキルの証明手段としては、「確実に意味があるもの」として扱われる点は知っておきましょう。

スキルの証明手段として8のCAD関連資格を解説

ここでは、スキルの証明となる10個のCAD関連資格をみていきます。また、特定のCADに関連する資格は、業務効率の向上や効率化にもつながるため、「日々の業務効率に悩んでいる」「知識レベルを向上したい」といったニーズも満たせます。

オートデスク認定資格プログラム

オートデスク認定資格 プログラムは、 Autodesk社が提供する資格です。AutoCADやRevit、Fusion 360に関しての操作技術を証明できます。合格を目指す場合は、公式のトレーニングコースの受講を推奨します。

また、学習時間としては20時間以上が目途となるため、1か月から2か月程度学習すれば合格できるでしょう。試験形式にも慣れておく必要があるため、模擬試験を活用すれば合格率を高められます。

Vectorworks操作技能認定試験

Vectorworks操作技能認定試験は、エーアンドエー株式会社が実施するVectorworksの操作技術を証明するための資格です。Vectorworksの高度な知識を持ったうえで操作ができる、2D・3Dどちらでもスムーズに設計できる能力を証明できます。

学習時間は、公式マニュアルやチュートリアルで20時間以上、課題演習には10時間以上を要します。合格率は50%であるため、事前に学習計画をしっかり立てることも大切です。

建築CAD検定試験

建築CAD検定協会が認定している資格で、1から4級に分かれています。受験資格はないものの、難易度が高くなるほど、高度な知識や操作が必要となる点は知っておきましょう。

また、学習時間の目安は3級でも30時間ほど必要となるため、事前の対策がなければ合格は難しいといえます。 合格率に関しては、1級の場合30%程度であるため、過去問の学習も大切です。

2次元CAD利用技術者試験

2次元CAD利用技術者試験は、一般社団法人コンピュータ教育振興協会CAD利用技術者試験センターが実施している2DCADのスキルを証明する資格です。とくに、設計図面の作成に関わる業務であれば、業務効率化や生産性の向上を図れます。

また、次のような特徴がある点も事前に知っておくとよいでしょう。

  • 1級から3級に分かれており、1級には機械・建築・トレース部門がある
  • 2級合格者か過去の1級合格者のみ1級受験できる

3級の合格にも30時間程度の学習時間が推奨されるため、しっかりとした学習計画を立てる必要もあります。ただし、1級・2級ともに合格率は30%から50%程度あるため、ゼロから学習しても資格取得を目指せるといえるでしょう。

3次元CAD利用技術者試験

3次元CAD利用技術者試験は、一般社団法人コンピュータ教育振興協会CAD利用技術者試験センターが実施している機械・製造系に特化した資格です。1級を受ける場合には、2級・準1級の保有が必要となります。

3Dデザインや住宅に関わる建材の生産に関わる場合には、特に役立つ資格といえるでしょう。1級の合格率が30%程度であるため、既に3DCADにさわったことがある場合でも50時間程度は学習時間を確保しましょう。

CAD実務キャリア認定制度

CAD実務キャリア認定制度は、一般社団法人コステックエデュケーションが主催する資格です。実技試験のみとなっており、以下のように3つの試験に分かれ、事前課題の提出が必要となるケースもある点は知っておきましょう。

  • 3次元CADトレーサー認定試験 事前課題あり。基本的な機械図面化の技術を問われる。
  • 3次元CADアドミニストレーター認定試験 事前課題あり。基本的な編集技術が問われる。
  • CADアドミニストレーター認定試験 事前課題なし。2次元CADの操作や図形の性質などを問われる

合格率は50%未満であるため、それぞれの試験内容に合わせて過去問やオンラインコースの活用を推奨します。

機械設計技術者試験

機械設計技術者試験は、日本機械設計技術者協会が実施している機械設計に特化した資格試験です。取得した場合、機械設計の実践的な知識や操作スキルを証明できます。

1級から3級まで分かれており、試験は年に1回となっています。1級を受験する場合は、次のような要件を満たす必要があります

・実務経験と学歴(例・工学系の大学卒業している場合は5年、短大であれば7年)

・2級を取得する

機械設計に特化したスキルを高めたい場合や専門的な企業に就職している場合などには役立つ資格だといえるでしょう。

まとめ

住宅業界においては、AutoCADやRevit、VectorworksといったCADを使用する機械は多いといえるでしょう。効果的な学習方法や具体的な学習時間については、それぞれの資格によって異なります。

資格を取得した場合は、CADの高度な操作スキルがある点が証明され、キャリアアップを図れるでしょう。また、資格取得には公式トレーニングコースの受講や実務経験、模擬試験や過去問の活用が重要です。学習時間の確保や各資格の学習ポイントを参考にして、計画的な学習を進めていくことが大切だといえるでしょう。