空き家率の都道府県別ランキング!世界との違いや推移も解説【2024年最新】
総務省統計局の住宅・土地統計調査によると、日本は全国的に空き家率が増え続けている状況です。
本記事では、5年ごとに実施されている空き家調査の情報をもとに「最新の空き家率」「増加する理由」を説明したのち、不動産業界で高まりつつある顧客ニーズを解説します。
目次
2024年最新の日本の空き家率は?
2024年4月に総務省統計局が公開した「令和5年住宅・土地統計調査」によると、日本の総住宅数が増える一方で、人が住んでいない空き家の割合が調査のたびに増加していることがわかりました。参考として、空き家率の変動を下表にまとめます。
2023年 | 2018年 | 2013年 | 2008年 | 2003年 | 1998年 | |
総住宅数 | 6502万 | 6241万 | 6063万 | 5759万 | 5389万 | 5025万 |
空き家数 | 900万 | 849万 | 820万 | 757万 | 659万 | 576万 |
空き家率 | 13.8% | 13.6% | 13.5% | 13.1% | 12.2% | 11.5% |
5年ごとに20〜70万戸ほど増加している傾向にあり、利用されなくなった家々が生活地域や中山間地に数多く点在していることが伺えます。
空き家率の都道府県別ランキングTOP5
日本で頻発している空き家の増加ですが、その中でも大幅に空き家数が増えている地域の上位5位を下表にまとめました。
ランキング | 都道府県名 | 2023年の空き家率 |
1位 | 徳島県 | 21.24% |
2位 | 和歌山県 | 21.17% |
3位 | 山梨県 | 20.47% |
4位 | 鹿児島県 | 20.44% |
5位 | 高知県 | 20.31% |
東北地方や九州地方、四国地方の空き家率が多い傾向にあるほか、3位には甲信越地方にある山梨県が入り込んでいます。ちなみに、山梨県の場合は古くに建てられた別荘物件が多いこと、兼業農家が多く家を手放しづらいことなどが理由のようです。
日本と海外の空き家率の違い
富士通が実施した海外の住宅調査によると、アメリカは10%程度、EU諸国のなかでイギリスは4%程度、ドイツは1%程度の空き家があると言われています。
つまり、日本は世界的にも空き家率が多く、今後もさらに空き家が増え続けていくと予想されます。空き家が増え続ける今、海外の取り組みなども参考にしつつ、住宅を無駄にしない対策が求められます。
過年度に比べて空き家率の推移が増加中
日本は、全国的に空き家率が増え続けており、中には5棟のうち1棟が空き家という地域も存在します。では、なぜ空き家が増え続けているのでしょうか。具体的な空き家増加の理由と将来予想を深掘りしていきます。
増加原因は少子高齢化
空き家が増える要因として挙げられるのが「少子高齢化」です。
戦後、日本ではさまざまな場所に住宅が建てられたほか、高度経済成長期にも資産をつくるために別荘やセカンドハウスなど、複数の住宅が建築されました。しかしバブル崩壊後に少子高齢化の波が押し寄せてくると、次第に地方から都市部へ人が移動しはじめ、一軒家からアパートやマンションといった集合住宅に移り変わる人が増えてきたのです。その結果、使われなくなった家は放置され、空き家として残りました。
つまり、今まで多くの人たちが住む地域で少子高齢化が深刻となり過疎化した結果、住宅の需要が減りはじめたことが、空き家率増加の理由だと言えます。
日本の空き家率は今後どうなる?
空き家率は少子高齢化が止まらない限り、今後も次々と増加していくと予想されます。総住宅数が増えるなかで空き家率が増加すると、その分だけ利用できる土地の数が減り、人が住みづらい地域が生まれてしまいます。
また空き家が増加した場合、治安、景観、衛生といった問題に発展するほか、空き家の増加を見かねてほかの地域に移りだす人も増えていくでしょう。空き家という不動産の問題を解決するためにも、早期に空き家率の増加を食い止めることが欠かせません。
空き家率の増加により高まるニーズとは?
空き家率が増加する状況をうまく立ち回らなければならない不動産業界ですが、今後は新規住宅の建築のニーズに併行して、以下のようなソフト面に関するニーズが高まると予想されます。
- 空き家取り壊しのサポート
- 移住のサポート
また、空き家の所有者に不動産としての活用を提案することも重要です。固定資産税や取り壊し費用といった問題を解決することにより、空き家の数が減って新たな土地活用の道筋が見えてくるかもしれません。
まとめ
日本の空き家率は全国平均13.8%と、海外諸国に比べて大幅に増加しているのが特徴であり、なかには5棟に1棟が空き家という過疎化が進む都道府県も見つかります。
また、空き家率が高まる状況で不動産事業をうまく立ち回らせるためには、空き家の所有者に対するソフト面のサポートや、土地活用の提案などが欠かせません。
少子高齢化が進む日本ならではのニーズの変化を読み取るため、ぜひ本記事で紹介した空き家率の情報をご参考ください。