2023省エネ住宅で使える補助金・税制優遇

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トレンドワード:省エネ住宅の補助金

「省エネ住宅の補助金」についてピックアップします。2025年以降は全ての新築住宅で省エネ基準適合が義務付けられる予定で、省エネ住宅に注目が集まっています。本記事では、省エネ住宅で利用できる補助金・税制優遇についてご紹介していきます。

省エネ住宅とは

省エネ住宅とは、エネルギー消費量を抑えた住宅のことを指します。家庭では約3割のエネルギー消費を冷暖房が占めています。そのため省エネ住宅では、下記3点が柱となります。

  • 断熱:冬に熱を逃がさない
  • 日射遮蔽:夏に熱を侵入させない
  • 気密:室内外で熱の移動を少なくする

これらにより冷暖房を使わずとも快適な環境になり、結果として経済的・健康的な住まいが実現します。国土交通省では2025年以降、全ての新築住宅で省エネ基準の適合を義務付けています。これにより、省エネ化の加速が期待されているのです。

省エネ住宅の基準について詳しくは、下記記事をご覧ください。

https://news.build-app.jp/article/20440/

省エネ住宅の補助金でよくある疑問

省エネ住宅の場合、通常の住宅よりも補助金や税制面で優遇されることが多いです。しかし「補助金制度はややこしくてよく分からない…」というケースも。ここでは、よくある疑問について簡単にご紹介します。

①マンションでも補助金はもらえる?

省エネ住宅の補助金は戸建て住宅が対象のイメージがあるかもしれませんが、マンションなど集合住宅でも利用できる場合があります。ただし一戸建てに比べると対象となる補助金の数が少ないため、条件をきちんと確認しておく必要があるでしょう。

②住宅ローン控除とはどう違う?

住宅ローン控除とは、ローンを組んで住宅を取得した場合に受けられる控除のことです。具体的には所得税・住民税から控除が戻ってくるという仕組みとなります。2023年現在「控除率は年末ローン残高の0.7%、控除期間は最大13年」です。

一方で省エネ住宅の補助金は、条件を満たす物件に対して「現金が後日入金される」という違いがあります。住宅ローン控除と補助金は併用することも可能ですが、場合によっては「併用不可」という条件付のケースもあるため、事前に確認しておきましょう。

③省エネ住宅の補助金の注意点は?

省エネ住宅では、補助金や税制優遇が受けられる場合が多いです。しかし予算の関係で、年度途中で打ち切りとなる場合もあります。補助金を受けたい場合には、必ず公式サイトや自治体に問い合わせることをおすすめします。

子育て世帯におすすめの省エネ住宅補助金・税制優遇

ここでは、子育て世帯におすすめの省エネ住宅補助金についてご紹介します。

こどもエコすまい支援事業

こどもエコすまい支援事業は、国土交通省が実施している補助金制度です。子育て世帯や若者夫婦世帯を対象に、新築住宅取得の際「100万円」を補助します。「ZEHレベル基準を満たす」等の条件を満たす必要がありますが、省エネリフォームを幅広く支援しています。

本事業において、子育て世帯とは「申請時点において、子(18歳未満)を有する世帯」で、若者夫婦世帯とは「申請時点において夫婦であり、いずれかが39歳以下である世帯」のことを指します。

対象者・注文住宅(建築主)・新築分譲住宅(購入者)・リフォーム(工事発注者)
補助額●注文住宅の新築・新築分譲住宅の購入:1住戸につき100万円
●リフォーム:5~60万円
省エネ基準ZEH住宅

贈与非課税

住宅取得資金として資金贈与を受けた場合、通常は贈与税がかかります。しかし「質の高い住宅」を取得する場合には、1000万円までが非課税になります。

この制度は、住宅取得者の初期負担の軽減を通じて、良質な住宅ストックの形成と居住水準の向上を図ることが目的です。子育て世帯が住宅購入の際に利用するケースが多いですが、もちろんその他の世帯も利用できる制度となっています。

対象者父母や祖父母などの直系尊属から、住宅資金贈与を受けた場合
補助額1000万円まで非課税
省エネ基準・断熱性能等級4以上・一次エネルギー消費量等級4以上

リフォームにおすすめの省エネ住宅補助金・税制優遇

ここでは、リフォームにおすすめの省エネ住宅補助金・税制優遇についてご紹介します。

先進的窓リノベ事業

先進的窓リノベ事業は、経済産業省・環境省による補助金制度です。既存住宅における熱損失が大きい窓の断熱性能を高めることにより、冷暖房費負担の軽減や、CO2排出量約7割削減に貢献することを目指します。

具体的なリフォーム工事の内容としては、「内窓の設置・外窓交換・ガラス交換」といったものが含まれます。

対象者工事発注者
補助額費用の1/2相当(一戸当たり5~200万円)
省エネ基準高性能な断熱窓(Uw値1.9以下等)

特定リフォームに係る所得税の減税

居住用家屋について一般断熱改修工事等を行った場合、一定の金額をその年分の所得税額から控除できます。一般省エネ改修工事には「窓の改修・床等の断熱工事」や「太陽熱利用冷温熱装置・太陽光発電装置の設置」といったものが含まれます。

対象者マイホームについて一般省エネ改修工事を行った場合
補助額【A×10%+B×5%】
●A 一般省エネ改修工事の標準的な費用の額
●B 次の(1)、(2)のいずれか低い金額
(1) 次のイとロの合計額
イ 一般省エネ改修工事の標準的な費用の額のうち控除対象限度額を超える部分の額
ロ 一般省エネ改修工事と併せて行う増築、改築その他の一定の工事に要した費用の額(補助金等の交付がある場合には当該補助金等の額を控除した後の金額)の合計額
 (2) 一般省エネ改修工事の標準的な費用の額
省エネ基準一般省エネ工事

住宅設備におすすめの省エネ住宅補助金

ここでは、住宅設備におすすめの省エネ住宅補助金についてご紹介します。家全体の新築やリフォームではなく「水回りだけ交換したい」「太陽光発電を導入したい」など、部分的な住宅設備のニーズに対応した補助金制度となっています。

給湯省エネ事業

給湯省エネ事業は、経済産業省による補助金制度です。戸建や共同住宅で高効率給湯器の導入を行った場合に、支援を行います。購入だけでなくリースの利用を含むため、幅広い支援が見込まれます。

給湯分野は家庭のエネルギー消費で大きな割合を占めるため、導入すれば高い省エネ効果が期待できるでしょう。こちらの補助金はマンションでも利用可能ですが、設置する場合には管理規約等を確認するのがおすすめです。

対象者・新築注文住宅:住宅の建築主・新築分譲住宅:住宅の購入者・リフォーム:工事発注者
補助額●家庭用燃料電池(エネファーム):15万円/台
●ハイブリッド給湯機:5万円/台
●エコキュート:5万円/台
省エネ基準高効率給湯器

まとめ|補助金活用で省エネ住宅促進

2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、省エネへの取組が急務となっています。その一環として、各省庁では補助金制度により省エネ住宅の普及を図っています。省エネ住宅にはメリットが多いので、家計の助けになる補助金制度をぜひ利用してみてはいかがでしょうか。